『ザ・クラウン』に「フィクション」の文言記載 87歳の大女優の「下品な扇情主義」の猛批判受け
デイムの称号を持つ英大女優ジュディ・デンチの指摘を受け、英王室ドラマ『ザ・クラウン』の予告編に「フィクション」であることを記したディスクレーマー(免責条項)が記載された。配信元のネットフリックスに対しては、ジュディが「下品な扇情主義」と非難するなど、同作が実話を題材にした「ドラマ」でしかないことを視聴者に向けて明確にするよう声が上がっていたことから、来月配信開始予定のシーズン5の予告編に免責条項を追加することにしたようだ。
そのディスクレーマーには「このストーリーは実話にインスパイアされ、エリザベス女王とその治世を形成した政治的、個人的な出来事を語るフィクションです」と綴られている。
『Queen Victoria至上の恋』『ヴィクトリア女王 最期の秘密』ではヴィクトリア女王を演じていたジュディは19日、ザ・タイムズ紙への公開書簡の中で、こう話していた。
「ドラマが私達の時代に近づくにつれ、歴史的正確さと下品な扇情主義との間の線をより自由にぼやけさせているようだ。私ほど芸術的自由を信じているものはいないが、これを問題視しないわけにはいかない」
「制作側は、各エピソードの始めに免責条項を記載するべきだという全ての呼びかけに抵抗してきた」
「ネットフリックスが再検討をする時が来た。つい最近喪に服したばかりの遺族や国のために。70年間非常に忠実に国民につかえた君主への敬意を示す意味で、またイギリスのサブスクライバーの目において彼ら自身の評価を保つために」
ネットフリックスのスポークスパーソンは、「『ザ・クラウン』は常に歴史的出来事を基にしたドラマとして提供されてきました。シーズン5は、フィクションのドラマであり、王室にとって重要な10年の間に閉じられたドアの向こうで起こったことを想像したものです。この時期は、ジャーナリストや伝記作家、歴史学者により詳細に調べられ、記録されています」と説明している。
来月9日に配信開始が予定されているシーズン5ではエリザベス・デビッキが故ダイアナ妃、ドミニク・ウェストがチャールズ皇太子(現チャールズ国王)を演じ、夫妻の離婚などを中心に描かれる見込みだ。