マライア『恋人たちのクリスマス』 盗作訴えたミュージシャン訴訟取り下げ

 歌手マライア・キャリーの『恋人たちのクリスマス』を盗作と訴えていたソングライターが訴訟を取り下げた。

 原告のカントリーミュージシャンのヴィンス・ヴァンスは1994年リリースの同曲に関して、1989年に自身が発表した同名の曲の盗作だと主張していたが、1日、ヴィンスの弁護団が自主的に棄却したことをビルボードが伝えたかたちだ。ちなみにヴィンスが後日、再訴訟を起こす可能性は残されているという。

 最初の訴訟でヴィンスは、マライアによる同曲の原題『All I Want for Christmas is You』と同名の曲を1989年にレコーディングし、1993年のクリスマスシーズンにはラジオで頻繁に流されていたと主張、その1年後にリリースされたマライアの曲について、自身の曲の派生物だとしマライアと同曲の共同作曲者ウォルター・アファナシェフそしてソニー・ミュージックを相手取り、2000万ドル(約29億円)の損害賠償を求めていた。

 この訴訟について専門家らは以前、両曲にはタイトルと1つの歌詞以外共通点がまるでなく、ヴィンスが勝訴する可能性は低いと分析、メイヤー・ブラウン法律事務所の音楽訴訟に関わりの深いポール・ファクラー氏は訴訟が起こった当時こう話していた。

 「彼が主張する唯一の類似点は曲のタイトルで、音楽や歌詞ではあません。単語や短いフレーズは著作権法で守られていません。同じタイトルの曲など無数にあります」

 今回の原告からの訴訟取り下げに関しマライアの弁護団はコメントを出していない。

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