『ロミジュリ』主演の2人 15歳と16歳のヌードシーンは「性的虐待」と提訴
故フランコ・ゼフィレッリ監督の1968年作『ロミオとジュリエット』の主演俳優2人が、10代の時に撮影したヌードシーンを巡り製作側を訴えている。オリビア・ハッセー(71)とレナード・ホワイティング(72)は先月30日、セクシャルハラスメント、詐欺、性的虐待、意図的な精神的苦痛を理由に、パラマウント・ピクチャーズを相手取り米カリフォルニア州サンタモニカ上級裁判所に訴えを起こした。
4日に明らかになった訴訟の内容によると、2人は、2019年に96歳で他界したゼフィレッリ監督からヌードシーンはないと約束されていたものの、撮影最終日にボディメイクのみの裸で撮影に臨まない限り映画が「失敗する」と言われたそうだ。
2人を担当するソロモン・グリセン弁護士は「(2人は)60年代のとても若く世間知らずな子供達で、自分達の身の上に何が起ころうとしているのか理解していなかったのです」と指摘している。
また両者のビジネスマネージャーのトニー・マリノッズィ氏は声明を出した。
「彼らが言われたことと、実際に起こったことは異なります」
「彼らはフランコを信頼していました。16歳の時、俳優として、彼がその信頼を裏切ることはないと思い従ったのです」
「フランコは彼らの友人であり、率直に言うと16歳の彼らに何が出来たでしょう?選択肢はなかったのです。#MeTooはありませんでした」
撮影当時それぞれ15歳と16歳だったオリビアとレナードによる損害賠償5億ドル(約660億円)を求めた訴訟は、児童虐待における時効を一時的に解除したカリフォルニア州法が昨年12月31日に期限切れとなることから申請されたと考えられている。同作の公開以来の収入に匹敵する額として5億万ドルの損害賠償を求めているという。
また訴えによると、同作でアカデミー賞監督賞にノミネートされたゼフィレッリは、ヌードシーンを撮影する際のカメラ位置を事前に伝え、公開作にもヌードが含まれないと言っていたそうだ。2人は、そのヌードシーンにより、長年にわたる経済的、身体的、精神的苦痛を経験したほか、「生涯にわたる収入」や「雇用機会」を損失したと主張している。