アカデミー賞男優、伝説的俳優の失敗作が観てみたかった
俳優のニコラス・ケイジ(58)は、ジェームズ・ディーンの失敗作も観てみたかったと語った。1955年に24歳で交通事故死し、『エデンの東』『理由なき反抗』『ジャイアンツ』の3作品しか主演映画がない悲劇のハリウッド・アイコン、故ジェームズ・ディーンの大ファンであるニコラスは、ディーンなら自分のキャリアで他にどんなことをしていただろうと考えているという。
ニコラスはエンパイア誌にこう語っている。「私のヒーロー、例えばジェームズ・ディーンについて考えるとき、彼ならどうしただろう?と考えるんだ。彼はあまりにも早く私たちから奪われてしまった」「彼は完璧なキャリアを持っている。なぜなら彼は3本の映画でしか主演していないからね。50年もやっていれば、だんだん失敗もするようになるけど、それでもいい。彼のミスも見てみたかったね」
またニコラスは、1990年代半ば、『ザ・ロック』『コン・エアー』『フェイス/オフ』などの大作に出演し、アクション俳優としてより注目されていた頃のキャリア転換についても振り返ったが、それは「夢」であったとはいえ、現時点では別の野望を持っているという。一方で日本映画も多く観ており、特に是枝裕和監督の映画が気に入っているそうだ。
「まあ、思春期の夢だけど夢が叶ったんだ。夢にかわりはない。自分には無理だと言われたことをやってみたかったんだ」「でも今は、私の心はそこにはないんだ。私の心は、先ほど話した是枝作品にある」「彼の映画『そして父になる』には心を引き裂かれた。
あの俳優たちは今世界で一番だと思う」「シネマ・ヴェリテのようなスタイルで、彼らと一緒に部屋にいるような、でも彼らは私がそこにいることに気づいていないような、そんな気持ちにさせられるような演技だった」
またニコラスは他にもインスピレーションを受けた作品として、ジェームス・キャグニーやベティ・デイヴィスの作品なら「何でも」観るそうで、より現代的な影響としてはケイト・ブランシェットなどを挙げ、「私は様々なスタイルを併せ持った人間なんだ。これからも色々取り交ぜていくよ」と語っている。