大物俳優 映画撮影前の銃安全訓練を受けていなかった 誤射死亡事故で追訴
俳優アレック・ボールドウィン(64)が、映画『ラスト』の撮影に向けて銃安全訓練を受けていなかったことが判明、さらに追加訓練でも「気が散っていた」と検察側は指摘している。
2021年10月に同ウェスタン映画の撮影監督ハリーナ・ハッチンスさんが誤射事故で死亡した件に関し過失致死で正式に追訴されたアレック、小道具の銃の取り扱いに関する事前講習を欠席していたほか、撮影現場での講習にも注意を払っていなかったという。
ピープル誌が入手した地区検察局のロバート・シリング特別捜査官による報告書によると、アレックは「撮影開始前に必須の銃器訓練を欠席」、同じく過失致死罪に問われている銃器責任者ハンナ・ギティエレス=リードが供述した、アレックが「銃器の訓練や、銃に弾丸が込められているかどうかを確認する方法の知識が十分ではなかった」点、また撮影セットでの30分間の講習中も家族と電話をしており「気が散っていた」ことについても指摘している。
リハーサル中にアレックが持っていた銃から実弾が誤発射されハッチンスさんが死亡、ジョエル・ソウザ監督が負傷した同件について、報告書は「(ギティエレス=リードに指示されようがされまいが)アレックは銃安全の第一の規則は、撃つつもりのない相手に銃を向けないことであると知っていた」とした上で、もしアレックが「必須の銃安全確認」をして「ハッチンスとソウザに銃を向けていなかったら」この悲劇は起こらなかったと続けている。
また同作のプロデューサーも務めるアレックが「銃器を頻繁に使用する映画」に「経験不足で資格のない」ギティエレス=リードを雇用したことも事故の要因とした。
一方でアレックは、(助監督)デヴィッド・ホールズから銃を手渡された時、実弾は入っておらず安全であると伝えられていたとして、自らの過失を否定、またハッチンスさんに誤射した際、自らは引き金を引いていないと主張していたものの、銃を調査したFBIの報告書は、引き金を引かずに銃弾が放たれる可能性はないと結論づけていた。