人気ミュージシャン クラシックカー詐欺被害に 顧客には有名俳優ら著名人多数

 ロックバンド「マルーン5」のフロントマン、アダム・レヴィーンがニセモノの車を売られたとして、85万ドル(約1億1500万円)の損害賠償を求めている。自身のヴィンテージカー2台と、生産台数僅か25台とされる1971年製マセラティのギブリ・スパイダー4.9Lをトレードしたアダムだが、詐欺にあったとして取引をしたクラシックカーのディーラー、リック・コール氏を訴えたかたちだ。

 2021年に提出された裁判書類によると、アダムは合計95万ドル(約1億2800万円)相当の1968年と1972年製のフェラーリを、「現在のクラシックカー市場で途轍もない人気と価値がある」とされるギブリに加え、コール氏が10万ドル(約1400万円)支払うという条件で交換し合ったという。

 しかしそのギブリをオートスポート・デザインズを通し再売却しようとしたところ、真正のものではないことが判明、アダムはコール氏が幾つかの段階を踏んでそれが本物であると見せかけたと主張している。更にコール氏から受け取った管理車両識別番号(VIN)は、イギリス人の高級車コレクター、クリーブ・ジョイ氏が所有する別の車のもので、著名なレーシングドライバー、クリスチャン・トレイバー氏の管理下にあるとアダムは伝えられたという。

 フランク・シナトラやロビン・ウィリアムス、スティーブ・マックイーンらとも取引をしたことがあるというコール氏についてアダムは、巨額の利益を得るため、その車の問題を故意に隠していたと非難している。

 ニューヨーク・ポスト紙のページ・シックス欄が入手した裁判書類には「事後の検査、調査の結果、この車が真正のものではないことが判明しました」「コールは酷いことに、これをひた隠しにしていたのです。莫大な金額を得るために、この情報を伏せていたのです」と記されている。

 そして同車の正体は不明であるものの、アダム・レヴィーン・リビング・トラストが支払った金額よりもずっと価値は下がると主張。ギブリ・クーペをギブリ・スパイダーに改造したものの可能性も示唆していた。

 現在アダムのトラストは、コール氏が払い戻しを拒否したため、購入時に支払った85万ドルの回収を求めている。一方コール氏は現在同件についてコメントを出していない。

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