消えた人気俳優、死去 迷宮入りとなった妻殺害事件で無罪も表舞台去る 親子鑑定、不倫騒動も

 ドラマ『バレッタ』や映画『冷血』などで知られる米俳優のロバート・ブレイクさんが死去した。89歳だった。

 9日、ロサンゼルスで心臓病により亡くなったことが、姪のノリーン・オースティンの発表で明らかとなった。遺族によると、家族に囲まれる中息を引き取ったという。

 ロバートは、5歳の時にMGMのコメディ短編映画『アワー・ギャング』でデビュー。10代を通してキャリアを積んだ後、軍隊に徴兵されたものの、20代半ばで俳優に復帰、そのキャリアは60年以上に及んだ。刑事ドラマ『バレッタ』のトニー・バレッタ刑事役で脚光を浴び、この番組での演技により1975年のエミー賞でドラマシリーズにおける主演男優賞を受賞している。さらに1967年のサスペンス映画『冷血』、1995年の『マネー・トレイン』に出演。1997年のデヴィッド・リンチ監督の映画『ロスト・ハイウェイ』でのミステリーマンが最後に演じた役となった。

 私生活では2001年、2番目の妻ボニー・リー・バクリーさんが殺害され、翌年4月にロバートが逮捕された。ボニーの遺体は、夫婦がカリフォルニアのレストランで食事をした後、頭を撃たれた姿で車中にて発見。当時ロバートは、食事に戻った時にボニーを車内に一人残し、そこに誤って拳銃を置いてしまいボニーが撃たれた時にはそこにいなかったと主張していた。

 同事件は2004年12月に裁判が始まり、2005年3月にロバートは無罪となったが、翌年11月、ボニーの子供たちから不慮の事故の責任を問われ訴えられ、民事裁判で3000万ドル(約41億円)の支払いを命じられた。そして数カ月後にロバートは自己破産を申請、その後映画界からは遠ざかっていた。

 ボニーは俳優マーロン・ブランドの息子のクリスチャン・ブランドとも交際しており、当初、出産した子どもの父親はクリスチャンであると指名。だがDNA鑑定の結果、ロバートの子と判明したのを受け、2人は結婚したといういきさつがあった。事件の裁判でロバートの弁護人はボニーの7人とも9人ともいわれる過去の夫たちや、不倫関係にあったと噂されていたクリスチャンの犯行の可能性を示唆。その後クリスチャンはボニーから告発されたが、事件への関与を否定し、黙秘権を行使したため迷宮入りとなっている。

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