「ミニスカート」発明のデザイナー死去 93歳 英国60年代ファッションけん引

 イギリスの60年代のファッションを代表したデザイナー、マリー・クワントさんが死去した。93歳だった。

 遺族が13日にプレス・アソシエーションを通して発表した声明によると、独学でデザイナーとなり、ミニスカートの発明者として知られるクワントさんは「今朝イギリスのサリー州の自宅で安らかに息を引き取った」という。

 同声明は、「マリーは、世界で最も認識されている20世紀のファッションデザイナーの1人であり、『スウィンギング・シックスティーズ』の傑出した革新者でした」と続いている。

 「スキニー・リブ」セーターやホットパンツ、そして「ファッションは家の外の人生で戦うための道具」という名言で知られているクワントさんは、1930年にロンドン南東部ブラックヒースで誕生、ファッションを通してフェミニズムを前進させたいという思いから、当時論争を呼んだミニスカートや女性向けズボンといった「チェルシー・ルック」を提唱、また友人のヘア・スタイリスト、ヴィダル・サスーンによるボブのヘアスタイルを広めた。

 ロンドンのキングス・ロードに「バザー」という小さなブティックを開店、後に「スウィンギング・チェルシー」の中心を担うことになる同店から、自身のファッションをグローバルに展開した。

 ツイッギーがモデルを務めたことで、そのスタイルが世界中で人気を集めたクワントさんは、1963年にはジンジャー・グループを設立、普通の働く女性の手が届く価格でアパレルを販売した。「ウーマンリブを待つ時間なんて私にはない」という発言は有名だ。

 1996年に大英帝国勲章OBE、さらに2015年にはファッション界への貢献を称えられナイトに相当する女性向けのデイムを叙勲されていたほか、今年にはチャールズ国王にとって初となる新年の叙勲でコンパニオン・オブ・オーダー勲章を授与されていた。

 ゴールドスミス・カレッジでイラストレーションを学んだクワントさんは、卒業後、高級帽子店エリック・オブ・ブルック・ストリートで修業を始めた一方、夜間クラスで裁断や市販の型紙から自分が思うような服を作る方法を学んだ。60年代末のイギリスでは、約1000万人の女性がクワントさんによるアイテムを少なくとも1つは持っていたというほどの成功を収めた。70年代もファッション界のパイオニアとして活躍を続け、ベッドリネンやカーペット、壁紙、スイムウェア、ジュエリーなどのデザインも手掛けた。

 クワントさんの訃報を受け、ツイッギー(73)が故人を追悼する言葉をインスタグラムに綴っている。イギリス初のスーパーモデルだったツイッギーは、クワントさんのモノクロ写真を投稿、「マリー・クワントは、50年代末から60年代初期にかけて、若い女性達に多大な影響を与えました」「彼女はファッションに革命を起こし、素晴らしい女性起業家でした。彼女なしでは、あの1960年代にはなっていなかったでしょう。遺族の方々にお悔やみを申し上げます。デイム・メアリー、安らかに」とキャプションを付けている。

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