米俳優ロン・フェイバーさんが死去した。９０歳だった。ニューヨークのオフブロードウェイ作品に贈られるオビ-賞受賞歴があり、映画『エクソシスト』でも知られる舞台俳優のロンが、３月２６日に肺がんで帰らぬ人となったとデッドラインが伝えている。

　ロンの友人で俳優のデヴィッド・パトリック・ケリーが、他界から１カ月後フェイスブックで「素晴らしい声と笑いを持った偉大なアーティストで紳士でした」と故人を偲んでいる。

　１９７２年にオフブロードウェイ作品『アンド・ゼイ・プット・ハンドカフス・オン・フラワーズ』でオビ-賞に輝いたロンは、同舞台を観た１９７３年のホラー名作『エクソシスト』の監督ウィリアム・フリードキンからチャック役をオファーされたという。

　『エクソシスト』で映画の助監督であるチャック役を務めたロンが、女優クリス（エレン・バースティン）に監督が死亡したことを告げるシーンが知られているほか、悪魔が憑依した少女リーガン（リンダ・ブレア）の中に宿る悪魔の声も演じていた。

　そんなロンは２０１６年、フリードキン監督は悪魔の声が１人の声にならないように、同役に向けてマーセデス・マッケンブリッジや自身を含む３人の俳優を用意していたものの、映画のクレジットにはマーセデスの名前のみ記されていたことにショックを受けたと明かしていた。

　ロンはテレビの世界でも活躍。『刑事コジャック』や『ロー＆オーダー』など数々のドラマに出演した。