商標登録で裁判も!殿堂入りバンドのメンバー死去 わずか4カ月前には訴訟人だった弟も死去

 バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ(BTO)のギタリスト、ティム・バックマンが死去した。71歳だった。

 1973年から74年まで同バンドで活躍し、10年後の再結成にも参加していたティム。4月28日に息子のパクストン・バックマンがフェイスブックを通してがんの合併症により亡くなったことを声明で発表した。

 「父親が今日の午後旅立ちました。優しい言葉をかけてくれた全ての人々に感謝します。最期の時を一緒に過ごすことができて私は嬉しい気持ちです。自分の愛する人を抱きしめてください。その時間がどれだけ残っているのかは決してわかりませんから」

 「昨日の午後私は父親の隣に座り、自分たちの素晴らしい日々を思い返していました」

 「ほとんどの時間虚ろな状態だった父親ですが、ある時、大きく目を見開き『お前を愛しているよ、パクストン。音楽をシェアし続けてくれ』と私に告げ、気を失ったのです」

 「助けの手立てもなく病気の親がベッドに横たわるのを見続け、自分の無力さを知るのは本当に辛いことです。心が壊れてしまいましたが、一緒に過ごした時間に感謝しています」

 今年1月にはティムの弟で、同バンドのドラマーだったロビー・バックマンが69歳で他界。2人の兄で同バンドのフロントマン、ランディ・バックマン(79)がツイッターにこう発表していた。「BTOで激しいビートを刻んでいた私の弟ロビーが、母、父、弟ゲイリーのもとに旅立った。ジェフ・ベックにドラマーが必要だってことだな!」「私たちのロックンロールマシーンに不可欠な歯車だった・私たちは世界を共に揺るがしたんだ」

 ティムは1973年、ランディがゲス・フー脱退後にカナダで結成したBTOに参加。1973年発表のアルバム『バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ』『バックマン・ターナー・オーヴァードライヴII』の2枚に参加。同作収録の『ダウン・アンド・アウト・マン』『ブロウン』『アイ・ドント・ハフ・トゥ・ハイド』の作曲も手掛けた。

 その後ティムの代わりにブレア・ソーントンが同バンドに加入するも、ティムは1984年の再結成ツアーに参加し80年代後半まで復帰していた。同バンドは1983年、短期間の解散を経て、ロビーなしで再結成。ロビーは商標登録違反でメンバーらを訴えるも、その後著作権が支払われ、ロビーは1988年や2014年の再結成に参加していた。同バンドは2014年にカナダ音楽の殿堂入りを果たしている。

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