「インダストリアル・ミュージック」の生みの親68歳で死去 謎の病と闘うも帰らぬ人に アルバム8枚発売伝説の人
「工場勤務者のためのインダストリアル・ミュージック」という言葉を生み出したモンテ・カザッツァが死去した。68歳だった。
ヘビーなエレクトロニック・ミュージックを始めて「インダストリアル」という言葉で表現したと言われているアメリカのショック・アーティストで、インダストリアル・ミュージックの伝説的人物モンテが、謎の病と闘った末、先月29日に帰らぬ人となった。
コラボレーターだったメリ・セント・メアリーがツイッターで訃報をこう発表している。「大きな悲しみと愛と共に、モンテを旅立たせなければなりませんでした」「病気でひどく苦しんでいたので、それが終わったことは慰めとなりますが、彼を失いとても寂しく思います!私たちがどこに行こうとも、彼は間違いなく彼なりの方法で問題を引き起こしてくれると確信しています。唯一無二のモンテ・カザッツァ、安らかに」
モンテは1970年代半ばにロンドンのインダストリアル・レコードで活動、同レーベルが制作していた、荒々しく、機械的、攻撃的、挑発的なサウンドやテーマを持つ、インダストリアル・ミュージックとして後に知られるようになった実験的なノイズ・コラージュや音響操作を生み出した人物だった。
またリサーチ誌のインダストリアル・カルチャー・ハンドブックは、モンテの作品を 「アート・イベントに見せかけた狂気のアウトブレイク」と評している。
モンテは物議を醸すアート作品を多く作り、若い頃から破壊的だった。カリフォルニア芸術工芸大学に通っていたモンテは、最初の彫刻の課題で建物の大階段を使用不能にするセメントの滝を制作し、退学処分を受けている。
モンテは8枚のソロ・アルバムをリリースし、2010年のアルバム『ザ・シニック』が最後の作品となった。サンフランシスコのインダストリアルグループ、ファクトリックスでの活動でも知られ、マーク・ポーリンやサバイバル・リサーチ・ラボラトリーズと共に、サウンドトラックを録音した。