ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツさんの現代文学コレクションがオークションに出品される。２０２１年８月に８０歳で帰らぬ人となったチャーリーは、大の愛書家としても知られ数々の初版書籍を収集。９月２８日にロンドンで開催されるクリスティーズのオークションには、Ｆ・スコット・フィッツジェラルドがＭＧＭの脚本家ハロルド・ゴールドマンに向けたメッセージ入りの『グレート・ギャツビー』も出品される。

　同書の落札予想価格は２０万ポンド（約３６００万円）から３０万ポンド（約５４００万円）で、「このストーリーのオリジナルの『ギャッツビー』であるハロルド・ゴールドマンへ。彼の過去の秘密を明かすことを許してくれたことに感謝を込めて」と綴られている。

　チャーリーが収集した一連の書籍は、過去２０年間にオークションに出版された中でも「現代初版の最高のコレクション」と言われており、クリスティーズの書籍原稿専門家マーク・ウィルトシャー氏はガーディアン紙に、同コレクションは「最高峰の文学に対する驚くほど繊細な好奇心を反映している」と語る。

　このほか、ウェールズの詩人ディラン・トマスの最初の詩集『１８篇の詩』や、アガサ・クリスティ、Ｐ．Ｇ．・ウッドハウス、ジェイムズ・ジョイスなどの作品の初版、さらにジャズ関連アイテムも出品される。

　チャーリーの訃報を受けて、ザ・ローリング・ストーンズのメンバー、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロニー・ウッドは共同声明を発表、「チャーリーは６０年近くザ・ローリングストーンズのハートビートでした。彼は全くユニークで少年時代からジャズと文学に情熱を傾けていました」と綴っていた。