ミック・ジャガーやザ・ビートルズの仕立担当が死去 80歳 ロンドンの名門テーラー創設者

 ロンドンの名門テーラー創設者のエドワード・セクストンが死去した。80歳だった。ミック・ジャガーやザ・ビートルズの仕立ても担当したエドワード、26日に本人のブランドが訃報を発表した。

 ブランド、エドワード・セクストンのインスタグラムにはこう声明が掲載されている。「エドワード・セクストンのチーム全員が私たちの創始者エドワードが亡くなったことを深い悲しみをもってお伝えします」「私たちにとってエドワードがどれだけの意味をもつかについてお伝えするのは困難です。その開拓精神、非の打ちどころのないスタイル、チャーミングな性格、仕立てに対する完璧で細心の注意がこのブランドを現在の姿にしたのです」「チームとして、これからも変わらず素晴らしき英国の仕立てを作り、エドワードの歴史、偉業、思い出を祝福し、彼の技術に忠実でい続ける所存です」「皆さんのご多幸をお祈りして。エドワード・セクストン・チーム」

 70年に渡るキャリアを通して、過去1世紀の中で最も重要なデザイナーの1人と位置付けられているエドワード、ロンドンの労働者階級の家庭に生まれ、まだ10代半ばの1957年にデザイナーとしての才能の片鱗を示す。

 デザイナーのハリー・ホールのもと、ライディングコートを毎日制作し、ロンドンのバーネット・ストリート・テクニカル・カレッジで夜間学生としてテイラーリングを学ぶ日々を過ごす。

 ロンドンの名門テーラーが集まる通り、サヴィル・ロウにあるキルガー,フレンチ&スタンブリーやウェルシュ&ジェフリーズで働いた後、サヴィル・ロウの形式に飽きたエドワードは、同地にナッターズを開くトミー・ナッターと親交を深める。

 そのナッターズは1960年代後半から70年代前半にかけて、そのシャープなシルエットからロンドンで最も過激なテーラーの異名を持っていた。同店にはセレブリティらも注目、ポール・マッカートニーやシラ・ブラックらも大ファンとして知られていた。

 その後エドワードは1975年に自身の名前を掲げたブランドをロンドンのナイツブリッジに立ち上げ独立、1971年のミック・ジャガーとビアンカ・ジャガーの結婚式ではミックのクロテッド・クリーム色のスリーピーススーツを仕立て、他にもアニー・レノックスやデヴィッド・グレイのスーツを担当した。

 また1969年のザ・ビートルズのアルバム『アビー・ロード』でジョン・レノンが着用している全身白のスーツはエドワードが担当、他にもデュラン・デュランのMV『ガール・パニック』の中では、シンディ・クロフォード、ナオミ・キャンベル、ヤスミン・ル・ボン、エヴァ・ハーツィゴヴァらがエドワードのスーツを身に着け話題となっていた。

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