遺体で発見されたベテラン俳優 「間違った」服装でハイキングに出ていた

 俳優ジュリアン・サンズさん(死亡当時65歳)は「間違った」服装でハイキングに出ていたという。『眺めのいい部屋』などで知られたジュリアンさんは、今年1月マウント・バルディでのハイキングから帰宅せず行方不明となった後、6月に遺体で発見されていたが、本人の遺体や持ち物を見つけたハイカー達は、雪に備えていなかった服装を見て驚いたそうだ。

 同グループは、まずジュリアンさんのブーツを発見、その後トレッキングポールと遺骨、そして「暗い色の冬服の山」を見つけたそうで、あるハイカーは「彼は忍者のような格好をしていました」とロサンゼルス・タイムズ紙に語った。明るい色を身に着けていれば捜査隊に発見されていたかもしれないという。

 またジュリアンさんのブーツには、比較的傾斜の少ない雪道には役立つマイクロスパイクが装着されていたものの、ジュリアンさんがトレッキングしていた急こう配の凍結した道には、スパイクが長いクランポンの方が向いていたという。

 もう1人のハイカー、ビル・ドゥヤーさんは「マイクロスパイクを見て少しショックを受けました。これは、目の前の仕事には間違った道具だったのです」と語る。

 ヘルメットやピッケルを使用した形跡はなく、ジュリアンさんの携帯電話が木の下の岩の上で発見されたものの、同エリアには電波が届いていないという。

 グループはジュリアンさんの遺体を発見後、携帯式衛星トラッキングデバイスで、SOSと共に正確な位置を送り救援を求めたそうだ。

 同グループのオーガナイザーは、ジュリアンさんが正しい装いをしていれば助かっていた可能性が高かったかもしれないとした上で、「その絶望と孤立感を想像できますか?」「ヘリコプターが聞こえる中、人々が自分を探していると知っていても、それを知らせる手段がないんです」「私はそのことについて今でも悪夢を見ます」と語った。

 ジュリアンさんの遺体が発見されてから数週間後に、遺体が発見された状態により死因が確定できていないことが発表されていた。

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