ジャズベーシストの巨匠 93歳で死去 2年近くホスピスでケアも帰らぬ人に 伝説的なミュージシャンと数々共演
ジャズ・ベーシストの巨匠、リチャード・デイヴィスが死去した。93歳だった。
ヴァン・モリソン、マイルス・デイヴィス、ブルース・スプリングスティーン、ポール・サイモンといった伝説的なミュージシャンたちと共演してきたベーシストのリチャードだが、2年近くにわたるホスピスでのケアを経て、6日に帰らぬ人となった。
娘のパーシアさんは、父の死後に開設された公式追悼ページにこう書き込んでいる。「リチャードはこれまで何千人もの人生に影響を与え、これからも世界中の友人、家族、ファン、生徒、同僚に惜しまれることでしょう」
ヴァン・モリソンの1968年のアルバム『アストラル・ウィークス』に参加したほか、ブルース・スプリングスティーンの『明日なき暴走』収録の『ミーティング・アクロス・ザ・リバー』やポール・サイモンの『ひとりごと』収録の『何かがうまく』など、数十年にわたる音楽活動でクレジットされたアルバムは3000枚以上と言われているリチャード、他にもフランク・シナトラ、レナード・バーンスタイン、バーブラ・ストライサンド、アーマッド・ジャマルら、数々の有名ミュージシャンとの共演やレコーディングで知られている。
シカゴ生まれのリチャードは1967年にジャズドラマーのエルヴィン・ジョーンズとの共作『ヘヴィ・サウンズ』でリード・アーティストとして初めてLPをリリース、1969年にはソロデビューアルバム『ミューゼズ・フォー・リチャード・デイヴィス』を発表、2008年には遺作となった『マディソン』と『ブルー・モンク』をリリースした。
また、チャリティと慈善事業にも熱心であったリチャードは、1993年にリチャード・デイヴィス・ファウンデーション・フォー・ヤング・ベーシストを設立し、13歳から18歳のベーシストを対象に毎年マスタークラスを開催、2000年にはウィスコンシン州マディソンが有色人種にとってより歓迎される場所になることを願い、人種差別問題に取り組むインスティテュート・フォー・ザ・ヒーリング・オブ・レイシズムのマディソン支部を設立した。