ベテラン俳優 アカデミー賞平手打ち俳優の処分に不満 自身はエキストラ殴打で逮捕の過去
俳優ショーン・ペンが、アカデミー賞式典でクリス・ロックを平手打ちしたウィル・スミスが逮捕されなかったことへの不満を明かした。俳優業だけでなく、監督としても知られるショーンは、1988年作『カラーズ 天使の消えた街』でエキストラの1人を殴打し、唾を吐きかけたとして逮捕されたことがあるが、ウィルが2022年に起こしたその事件で同様の扱いをされたなかったことに疑問を呈している。
ヴァラエティ誌にショーンはこう話す。「ウィル・スミスとは知り合いじゃない。1度会ったことはあるけどね。会った時の彼はすごい良さそうな人だった。『ドリームプラン』の彼はすごく良かったよね」「だからなんであんな馬鹿げたことをして自分やみんなに嫌な思いをさせたんだって思ってしまう」「それになんで同じことをした僕は刑務所送りになったのに彼は普通に座ってたんだ?」「彼の人間として最悪な瞬間の時になぜみんなは拍手喝さいを送っていたんだ?」
2003年の『ミスティック・リバー』、2008年の『ミルク』で2度のアカデミー賞に輝いているショーンは、ロシアによる軍事侵攻が始まって間もなく開催されたその式典で、主催者側がなぜウクライナのゼレンスキー大統領によるスピーチを拒んだかについても怒りを表し、「アカデミー賞のプロデューサーは『彼は陽気さに欠ける』とでも思ったんだろう」「それで誰が出たんだ?ウィル・スミスだよ!」と続け、その件で自身の持つオスカー像を溶かして銃弾に変え、ロシアに対抗するウクライナに送ろうかと思うほど落胆したと明かした。
ショーンは26歳だった1987年、エキストラへの暴行事件で60日間の服役を科せられたほか、2010年にはカメラマンに暴行をはたらいたとして、執行猶予3年、300時間の社会奉仕活動の判決を下されている。
一方でウィルはクリスに謝罪、アカデミー賞からは10年間の式典出席禁止処分を受けたが、クリスが起訴しなかったため、逮捕には至っていなかった。
プロデューサーを務めていたウィル・パッカーは、当時の様子について『グッド・モーニング・アメリカ』で語った際、警察は逮捕するつもりだったとして「警察は『これは暴行罪だ』と言っていました」「『彼を逮捕します。今にでも逮捕することができますし、あなたは起訴することができます』と言って、選択肢を与えていたんです」と振り返っていた。