ロバート・デ・ニーロ 映画賞のスピーチを「編集」され憤慨 「よくもあんなことが出来るね」

 ロバート・デ・ニーロが、ゴッサム・インディペンデント映画賞のスピーチが、自分の知らないところで「編集」されていたことに憤慨した。

 27日(月)、ニューヨークのチプリアーニ・ウォール・ストリートで開催された授賞式で自身が出演した『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を代表してゴッサム・ヒストリカル・アイコン・アンド・クリエイター・トリビュート賞を受賞されたデ・ニーロ、テレプロンプターの受賞スピーチを読み上げようとしたものの、ドナルド・トランプ前大統領への批判を含む一部がカットされていることに気付き、中断したかたちだ。

 デ・ニーロは、観客に向けて「1つ言いたいことがある。私のスピーチの冒頭部分が編集され、カットされている。私はそんなこと聞いていない。だから、それを読みたい」と言うと、携帯電話を取り出して、カットされた俳優ジョン・ウェインの1971年のプレイボーイ誌のインタビューにも言及した箇所を読み始めた。「歴史は、もはや歴史じゃない。真実は真実ではない。事実ですら、陰謀論や醜さに振り回され、代替の事実に置きかえられている」「フロリダでは、若い学生が奴隷は自分のためになる技術を身に着けたと教えられている」「エンターテインメント業界もこの病巣と無縁ではない」「ザ・デュークことジョン・ウェインが、ネイティブアメリカンについて『この素晴らしい国を、我々が彼らから取り上げたことを悪いとは感じていない。非常に多くの人々が新しい土地を必要としていたし、インディアンたちは、自己中心的にそれを独り占めしようとしていた』と言ったのは有名だ」「嘘をつくことが、ペテン師の武器庫に新たに加わっただけだ。前大統領は、4年の任期中に3万回以上我々に嘘をついたし、現在の報復キャンペーンで、そのペースを保っている」「しかしその嘘の数々をもってしても、嘘の中に彼は魂を隠すことは出来ない。彼は弱いものを攻撃し、自然の贈り物を破壊する。そしてポカホンタスを中傷に使ったりして無礼をはたらいた」

 そしてデ・ニーロは、「その一方で映画製作者は」と言ったところで、「ここから始めたんだ。彼らは、あれ全部を編集したんだよ」と続けた。

 しかし、カットされた部分を読み上げたことで観客から拍手を贈られたものの、受賞に関して「感謝する」気分ではないとして、「こう言うつもりだったんだ。アップルに感謝します、ゴッサムにも感謝しますとか色々とね」「でも彼らがあんなことをしたから感謝する気持ちには全くなれない。よくもあんなことが出来るね」と語っていた。

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