役と脚本を変更させた人気俳優 著名脚本家が疑義「愚か者3時間半過ごすのは長い」
脚本家のポール・シュレイダーは、レオナルド・ディカプリオは『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でアーネスト・バークハート役ではなくFBI捜査官役を演じるべきだったと語っている。マーティン・スコセッシ監督による『タクシードライバー』や『レイジング・ブル』の脚本を手がけたことのあるシュレイダーは、1920年代のアメリカ先住民オセージ族に対する虐殺を描いた同大作でもスコセッシ監督と共に仕事をしていたら、ディカプリオのキャスティングを変えるよう説得していただろうと話した。
シュレイダーはフランスのル・モンド紙にこう語った。「マーティは私をフランドルの細密画家に例えている。彼はルネッサンスのフレスコ画を描くようなタイプだ」「彼に2億ドル(約29億円)を与えれば、必然的に良い映画が生まれる」「とはいえ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』では、レオナルド・ディカプリオに愚か者の役より捜査官役を演じてほしかった」「愚か者と3時間半過ごすのは長い」
当初スコセッシ監督は、ディカプリオには捜査官トム・ホワイト役に起用するつもりで、ロバート・デ・ニーロ演じる悪役の町長と共謀し、石油の権利のためにオセージ族を虐殺するアーネスト役ではなかったものの、ディカプリオ自身が脚本と役の変更を要求したとアイリッシュ・タイムズ紙に明かしており、ホワイト役はジェシー・プレモンスが務めることになったという。
オリジナルの脚本を執筆中に「白人ばかりを主人公にした映画を作っていることに気づいた」とタイムズ誌の語っていた同監督は、同脚本に2年間取り組んだ後、ディカプリオに「この物語の核心はどこにあるのか」と尋ねられ、オセージ族との会食を思い出し、捜査官の視点による物語よりも、「本当のストーリーは、必ずしも局という外側から来るものではなく、オクラホマという内側から来るものだと感じた」と説明した。