『ウエスト・サイド物語』アニタ役女優死去、91歳 ラテン系俳優の道を開く
『ウエスト・サイド物語』でアニタ役で知られる米女優チタ・リベラさんが死去した。91歳だった。ブロードウェーの舞台で活躍し、米演劇界最高の栄誉とされるトニー賞を2回受賞したチタが30日、「短い闘病生活の後」ニューヨークで亡くなったことをチタの娘リサ・モルデンテ(65)が自身の声明で伝えた。
チタの代理人はピープルを通じて声明をこう発表している。「多大なる個人的な悲しみと共に愛されたブロードウェーのアイコン、チタ・リベラが亡くなったことをお伝えします。40年来の親愛なる友人は、91歳でした」
葬儀は非公開で行われるものの、後に追悼礼拝を予定しているという。
ワシントンD.C.で、ドロレス・コンチータ・フィグエロ・デル・リヴェロとして生まれたチタは、幼少期からバレエの訓練を受けていたが、1986年にマンハッタンで運転していた車にタクシーが衝突する交通事故に遭い左脚を10カ所以上骨折、1年足らずで舞台に復帰したものの、骨折から完全に回復することはなかったという。
そんな災難にもかかわらず、1957年に『ウエスト・サイド物語』でアニタ役を演じて一躍有名となったチタは、他のラテン系俳優たちの道を開いたといわれ、『バイ・バイ・バーディー』で初めてトニー賞にノミネートされたほか、『シカゴ』『ガイズ ドールズ』『スイート・チャリティ』『キス・ミー・ケイト』といった作品などに出演した。
2002年に、ケネディ・センター名誉賞を受賞、2009年には当時のバラク・オバマ大統領から大統領自由勲章を授与されたほか、トニー賞ではミュージカル主演女優賞を2回、さらに2018年には特別功労賞を受賞した。