胃がんで闘病中だったレジェンド歌手が死去、62歳 昨年7月が最後のコンサート
カントリーミュージックのレジェンド、トビー・キースさんが死去した。62歳だった。
『ハウ・ドゥ・ユー・ライク・ミー・ナウ?』などのヒット曲で知られるトビーは2021年秋から胃がんとの闘病生活を続けていたが5日、帰らぬ人となった。
トビーのXには「トビー・キースは昨夜2月5日、家族に囲まれて安らかに息を引き取りました。彼は気品と勇気をもって闘いました。今は彼の家族のプライバシーを尊重して下さるようお願い致します」とメッセージが出されたが、それ以上の詳細は明かされていない。
1984年に結婚した妻のトリシア・ルーカスと3人の子供たちがいたトビーは、手術と化学療法、放射線療法に専念するため音楽活動から離れる計画を立てていたものの、昨年7月の独立記念日の週末に、地元オクラホマ州で2公演を行いステージに凱旋していた。
診断からわずか数カ月後トビーは、がんが「かなり体を衰弱させる」と明かしてはいたものの、それでも未来に希望を抱いているとして出演した『CMT Hot 20』でこう語っていた。「闘える体型に戻ろうと考えている。体力がかなり消耗するよ。でも、すべてが順調である限り、将来に何かいいことがあると思うんだ。少しの間休養の時間が必要だ」
バスカーとしてテネシー州で少数のファンを獲得したトビーは、常にレコード会社の幹部たちに自分のデモテープに興味を示してもらおうと試みたが効果はなかった。しかしある日、飛行機に乗っていたマーキュリー・レコードの重役ハロルド・シェッドに気づいた客室乗務員とファンがトビーのテープを渡したことで運命の転機が訪れ、最初のレコードを契約し1993年にデビューアルバムをリリースした。
トビーはこれまでに19枚のスタジオアルバムをリリースし、世界中で4000万枚以上のレコードを売り上げている。