俳優のラッセル・クロウ（５９）は、２０１０年の映画『ロビン・フッド』の撮影で両足を骨折したものの、１０年以上そのことに気づかなかったという。同映画の撮影時、未整備で岩のように硬い地面へ飛び降りるシーンで激痛に襲われたことは覚えていたが、急いでいたためずっとあとになるまでその「小さな事故」がどれほど重大だったか気づかなかったそうだ。

　同映画の主人公を演じたラッセルはピープル誌にこう語った。「城の鉄製の門から岩のように硬い未整備の地面に飛び降りたんだ」「地面を整地してクッションになるものを埋めればよかったけど、薄明かりの中で撮影を急いでいてね」「周囲には何百人ものエキストラがいて、矢が飛び交い、城に火が燃えさかる中撤退することはできなかった。ジャンプしながら、『あとで痛くなるかも』と思ったのを覚えてるよ」

　衝撃を和らげるために足の甲で着地しようとしたが、かかとが先に地面に当たり「全身に電気が走るような衝撃だった」というラッセル、「大作映画を撮影していたから、ただ頑張って乗り切るだけで、最後の１カ月は本当に大変だった。歩くことさえすごく難儀だったのが何週間も続いた」と続けた。

　その当時、プロダクションにケガのことを相談したり休んだりすることもなく、仕事に通い続けたラッセルだが１０年後、下肢に「とても奇妙な痛み」を感じるようになり医療機関にかかったそうだ。「大したことはないと思っていたんだ。ニューヨークの長い冬を過ごし、僕の体が運動と日光を恋しがってた」

　ＭＲＩとＸ線検査を受けたラッセル、その画像を見た医師から、「いつ脚を骨折したのか」と尋ねられ唖然としそうだ。両足の脛骨（すねの骨）に骨折の名残が確認できたそうで、「記憶をたどるために、医者は『１０年くらい前かな？』と言った」と話すラッセルはすぐに映画『ロビン・フッド』の撮影を思い出し、「どうやら僕は、両足を骨折したままあの撮影を終えたようだ。すべては作品のため。ギプスも、添え木も、鎮痛剤も使わず、ただ仕事に通い続けた」と振り返った。