いきなり受賞作発表で物議 アル・パチーノがアカデミー賞作品賞の発表について弁明
米俳優のアル・パチーノ(83)が10日(日)に行われたアカデミー賞作品賞の発表について弁明した。同授賞式でプレゼンターを務めたアルは、受賞作品の名を挙げる直前にノミネートされた10作品すべてを振り返るという恒例の発表の仕方ではなく、「いよいよです。僕の目に映っているのは『オッペンハイマー』です」といきなり受賞作品を明かした。
授賞式後の声明でアルは「昨夜、作品賞を発表する前に、僕がすべての作品の名前を読み上げなかったことに賛否があるようです。ノミネート作品を省略したのは僕の意図ではなく、授賞式の中で作品は個々にスポットが当てられており、繰り返しは避けるというプロデューサーの選択であることをはっきりさせていただきます。あの晩に参加できたことを光栄に思っていますし、プロデューサーたちが望んだ授与の仕方に従うことにした次第です」と語っている。
さらに俳優という立場からアルは、「ノミネートされるということは、当人にとって重大な出来事です。十分に認識されないというのは、不快であり、傷つくものです。映画製作者、俳優、プロデューサーと深い関わりを持つ人間として、この手落ちにより軽んじられたと感じる方々に深く共感し、故にこの声明を発表する必要があると感じました」と続けた。
一方、同授賞式のプロデューサーであるモリー・マクナーニーは、「人々は誰が受賞したかを聞きたいだけで、式を終える準備ができてると判断しました。少なくとも、私たちはそう予想していました。ノミネート作品を読み上げる必要はないという私たちの判断が、彼を厳しい状況に追い込んでしまったのだとしたら、お詫びします」と説明、封筒を開けた際のアルの言い回しについては「少し混乱を招いた」と非難しつつも、「でも、これがテレビの生放送の面白さなのです。何が起こるのかわからないですから」と語った。