人気のシンガー・ソングライター アルバム制作は「時間とお金の無駄」
歌手のシェリル・クロウ(62)はアルバム制作を「時間とお金の無駄」と考えているという。2019年の『スレッズ』以降、レコード制作を止めるつもりで、ストリーミング配信の世界では意味がないと今でも考えているシェリルは、3月29日に続編となる『エボリューション』をリリースした。同アルバムはピーター・ガブリエルの曲『ディギング・イン・ザ・ダート』にインスパイアされたもので、ピーター本人が参加した1992年の同ヒット曲のカバーなど全10曲が収録されている。
シェリルは英Red誌の2024年5月号でこう語っている。「私は今でも(アルバムを作ることは)時間とお金の無駄だと思っているわ!人々はレコードを作品全体として聴くことはないけど、私にはすごくタイムリーに感じる曲がたくさんあって。だから『OK!私は始まり、中間、終わりを念頭に置いた伝統的なアルバムは作らない』って。その代わりに、新曲のコンピレーションをやるのよ」
そんなシェリルは、子供の頃に音楽に慰めを見出したことについて「友達がみんなお酒を飲んでマリファナを吸い始めるようになって、疎外感を感じた時に向かったのが音楽だった。それが私のアイデンティティの拠り所になって、自分が何になりたいかを考える時、音楽は得意とするものだった」と回想している。
カントリーポップのスターであるシェリルは以前、すべてのスタジオアルバムを作ることがいかに「好き」だったかを説明していたが、音楽ファンがストリーミング・プラットフォームで曲を「つまみ食いする」のであれば、作品全体に全力を注ぐことは無意味だと感じているそうで、2019年のNMEのインタビューでこう語っていた。「これ(『スレッズ』)が私の最後のアルバムになる可能性が高いと思う」「そのことについては本当に穏やかな気持ちよ。私は自分のキャリアを愛してきたし、それが終わったとは感じていないけど、物事があまりにも大きく変わってしまったように感じている」「レコードを作ることもプロデュースすることもずっと好きだった。でもテクノロジーのおかげで人々は選曲するだけでよくなった今、芸術的な主張や作品全体を生み出すために注ぎ込む愛情や時間、感情を考えると、それは私には無駄なように思える」「そして私にとって、これはまさに取り組むべきプロジェクトだと感じた。若い頃から現在に至るまで、そして未来に至るまでのタイムラインとなるプロジェクトよ」
一方で、これからもシングルをリリースするとして「(これは)私の最後の音楽ではなく、全体としてはおそらく最後のアルバムプロジェクトになるでしょう」と話していた。