エルヴィス・プレスリーの曲で知られるソングライターが死去 83歳 14年には殿堂入りも
ソングライターのマーク・ジェイムズさんが死去した。83歳だった。エルヴィス・プレスリーの『サスピシャス・マインド』や共作した『オールウェイズ・オン・マイ・マインド』で知られ、2014年にはソングライターの殿堂入りを果たしたマークさん。今月8日(土)にナッシュビルで他界したことをヒューストン・クロニクル紙が伝えている。
遺族はこう話す。「マークの遺産と人生への熱意は彼を愛した人々の心の中で生き続けます。彼が作った時代を超えた詞とメロディーは世代を超えた恋人たちのサウンドトラックとなっています」「魅惑的な物語の語り手だった彼は、素敵な笑顔で、人を笑わせ、その目は決して輝きを失うことがありませんでした」
最も知られる『サスピシャス・マインド』はもともと1968年に自身のキャリアを築くためにマークさんがリリースしたもので、その後エルヴィス版がチャートのトップに輝くこととなった。同曲の詞について、マークさんは2012年にウォール・ストリート・ジャーナルでこう語っていた。「ある夜遅くに、フェンダーのギターをいじっていたんだ。ハモンド・オルガンのペダルをベースに使いながらね。そしたらキャッチーなメロディが浮かんできた。その時最初の妻と結婚していたんだが、自分が子供のころ好きだった人への気持ちがまだあって、その人はヒューストンで結婚していた」「妻はその気持ちに疑いを持っていて、私も混乱していた。私たち3人全員が抜け出せない罠にかかっていたように感じたよ」
RCAビクター・レコードで1969年にレコーディングされた同曲はエルヴィスにとって全米シングルチャートで18番目、最後のナンバーワンシングルとなり、1999年にグラミーの殿堂入りを果たした。
マークさんは当時エルヴィスについてこう回想していた。「その後数年間、エルヴィスは私がいるとわざわざ部屋に来て挨拶をしてくれた。彼が誰と一緒にいようがね。彼が亡くなった後に聞いたんだが、『マークはまた曲を送ってくれたか?』ってスタジオの人間に尋ねていたらしいんだ。それを知っていれば良かったと思ったよ」
本名のフランシス・ザンボンが音楽業界で成功しにくいといわれ改名したマークさん。他にもB.J.トーマスのアルバム『オン・マイ・ウェイ』の『ジ・アイズ・オブ・ア・ニューヨーク・ウーマン』『フックト・オン・ア・フィーリング』も手掛けている。