映画『ラスト』のジョエル・ソウザ監督、撮影現場での死亡事故について初めて語る

 ジョエル・ソウザ監督(51)は、自身がメガホンをとった映画『ラスト』の撮影現場で、撮影監督のハリーナ・ハッチンスさん(当時42)が死亡した事故で「破壊された」と認めている。2021年、リハーサル中に主演のアレック・ボールドウィン(66)が持っていた銃が暴発し、1児の母であるハッチンスさんが死亡、自身も負傷した事故についてソウザ監督が初めて語った。

 その後アレックは過失致死罪で起訴されたものの、自身は引き金を引いておらず、なぜ小道具の銃に実弾が入っていたのかも分からないと主張、今年7月、検察側が証拠を故意に隠したというアレックの弁護団の主張により、裁判を棄却する判断が下されていた。

 この事故に関する初めてのインタビューで、ソウザ監督はヴァニティ・フェア誌にこう語っている。「事故が私を破壊したと誰かに言うとき、それは一般的に思われているような意味ではありません」「私のキャリアが台無しになったという意味ではありません。内面的な意味で、私という人間が消えてしまいました。それが止まったんです」

 小道具の銃に実弾を装填した武器担当者のハンナ・グティエレス=リードは有罪判決を受け、現在「その過ちの結果を背負って生きている」と語る同監督、「それが公平なのかも、もうわかりません。誰かが刑務所に入ることを良しとする人はいません」「間違いを犯していないと言うのは正直ではないし、馬鹿げたことです。誰もそれが故意だったとは言わないと思います」と続ける。

 そして、ハッチンスさんを称え、遺族を支援するために映画を完成させなければならないと感じたという。「映画を完成させることは、ハリーナの家族に経済的な利益をもたらすと分かっていました。それは私にとってとても大切なことなんです」「クリエイティブな仕事をしていない人には陳腐に聞こえるかもしれませんが、彼女の最後の作品は重要です。人々が彼女の最後の作品を見ることが重要なんです。そのことが私を決断させました」

 しかし、銃が発砲されたシーンは映画からカットされているそうで「この映画を観た人に、あのシーンを待ってほしくないんです。誰もあのようなシーンを残したいとは言ってきませんでした」と同監督は明かしている。

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