わが故郷・愛媛が“日本一ストレスの少ない県”に
私が生まれ育った愛媛県は“日本で一番ストレスの少ない県”だそうです。ある化粧品販売会社の関連企業が20-69歳の女性7万人を対象に行った調査の結果、47都道府県でストレスの少ないランキング1位となったのです。その発表会見に出席させていただいたのですけど、改めて自分の故郷について考える機会になりました。
愛媛は温暖な気候で自然にあふれ、海の幸、山の幸も豊富です。松山市の道後をはじめ温泉も多い。のんびりした環境からか、住む人にゆとりがあり、思いやりや慈しみにあふれた土地柄だと思います。私はバイクに乗りますが、開放的な道路が多くてツーリングも快適です。今治エリアの「しまなみ海道」は自転車で絶景のサイクリングを楽しめます。
そんな愛媛の素晴らしさを再認識し、誇らしい気持ちになりました。その一方で「東京はどうなのだろう」と興味を持ちました。
私は高校(松山聖陵)を卒業後、役者を目指して単身18歳で上京しました。愛媛が故郷であることに変わりありませんが、考えてみると東京に出て半世紀以上になります。今、暮らしている東京都はそのランキングで何位だったのか。確認すると「27位」という、ほぼ中間の順位でした。
大都会はストレス社会-という認識で、もっと下位かと思っていただけに意外でした。競争の激しい仕事や満員電車、物価の高さや住宅事情…。あくまで一般論ですが、決して住みやすいとは言いがたい環境です。会見後の舞台裏で、その理由を考えてみました。
東京は娯楽や文化にあふれ、仕事を離れて発散できる場が多い。都会の距離感を保って、人に干渉されることが比較的少ない。あらゆるものがそろっていて便利である-。そんな意見もうかがいました。他にもいろいろあるかもしれませんが、なるほどなと思いながら聞いていました。
いずれにしても、己の道を全うし、充実した日々を過ごすことが何よりの「ストレスオフ」なのだと思います。私を生んでくれた愛媛、俳優として育ててくれた東京。どちらも愛着があります。それにしても「ヒメを愛する」と書いて愛媛。「愛」にあふれた、いい名前だと思います。