「いつでも夢を」小百合ちゃんとは別々の録音でした
これまでたくさんの作品を歌ってきました。そんな中で2度、日本レコード大賞の大賞を受賞させていただきました。最初は1962年の吉永小百合ちゃんとのデュエット曲「いつでも夢を」。2度目が66年の「霧氷」。当時、2度目の受賞は史上初で、とてもうれしかったですね。
もちろん最初の受賞の時も覚えています。東京・荒川の土手で同名の映画「いつでも夢を」のロケを行っている時に吉報が届いて。小百合ちゃんとスタッフの方と「バンザ~イ!」と喜びました。
小百合ちゃんとは同じレコード会社所属で吉田正先生の門下生。僕(60年)よりちょっと後の62年に歌手デビューされて「寒い朝」がヒット。それで武田という女性の担当ディレクターが「小百合と橋君を一緒に歌わせたらどうでしょう」と吉田先生に提案したのがキッカケとなり、「いつでも夢を」が生まれたのです。当時は青春歌謡、青春映画が流行っていたので、あのような曲になりました。
とはいえ、お互いに多忙だったので、レコーディングも当時としては珍しい別々の録音でした。どうしてもスケジュールが合わなくて。彼女が先に録音して、それを僕がイヤホンで聴きながら歌ったのです。
そんな感じだったので、2人で雑誌のグラビアなどに登場したけど、当時から一緒に歌う機会も年末年始の特番くらいだったかな。
今でも「いつでも夢を」は多くの方に歌っていただいています。僕の歌のイメージがありますが、実は小百合ちゃんのために作られ、小百合ちゃんをイメージしてできた曲。デュエット曲ですけど、ジャケットも小百合ちゃんが目立つように作られていますしね。
小百合ちゃんが女優なので、だんだん歌わなくなって。僕の方が歌う機会も多く、テレビで僕が1人で歌うことが多くなって。
今ではすっかり僕の歌になっちゃった感じですね。