今でも水着が大嫌いなの、仕方がない
人気上昇と共に、グラビアの仕事がどんどん増え、いつもニコニコアイドルスマイルをしていたから、頰が痛くなるほどだった。
そんなある日、水着の仕事が舞い込んできた。「明星」や「平凡」、「プレイボーイ」などで、多くのアイドルの水着が続々と披露されていたので、いつかオファーが来るのだろうと、嫌な予感はしていたが…。
まさか14歳の私に来るなんて!水着を着るためにアイドルになった訳じゃない!
事務所に「私は絶対に、水着はやりません!」と抗議したが、その小さな抵抗は、呆気(あっけ)なく脚下。ミニスカートさえも拒否していた私が、グァム島の青い空、輝く海の砂浜で、セパレートの水着を着る日が、とうとうやって来てしまったのだ。
今は、撮影した写真はその場でチェックできるけど、当時は、それが掲載されるまで、どのカットが使われるかわからないまま、発売まで知ることはできなかった。
私の人生初の水着は、なんとポスターになって、付録になっていた。広げて見ると、それはそれは大きな水着姿で、私はがくぜんとなった。
撮られる側とそれを見る側とでの、こんなに温度差がある写真はそうあるものではないと思う。
発売後、学校へ行くと、その大きなポスターが黒板のど真ん中に貼られていて、クラスメートが私を冷やかした。
「アイドルって、大変ね!こんな仕事もしなくちゃいけないのね?」
私は絶句した。女子校だったので、まさかそんなことをされるとは思っていなかったから。
でも、考えてみれは、クラスの中にアイドルがいるだけでも違和感があるのに、その同級生が水着のポスターになれば、このような現象が起きても仕方がないことだったと思う。だから、今でも私が水着が大嫌いなのも、仕方がない!(笑)