中3で初めて経験したセクシーグラビア
デビューして、1年がたった頃。まだ中3の私にセクシーグラビアの仕事が来た!
大人たちは、つぼみの花をなんとしてでも、咲かせようと必死。
スタジオに用意された衣装は、胸の大きく開いたTシャツやシースルーのドレス。自分で買ったこともなければ、着たこともない物がズラリとハンガーにかけられていた。
「どれが似合うかな?」
カメラマンさんとスタイリストさんが私の顔色を窺っている。私としては、どれも着たくないし、そんなのを着たところで、いきなりセクシーな女性になるはずもない!
抵抗の気持ちがわいてきたけど、どれかを着なければ仕事は終わらない。
不機嫌な気持ちを抑えて、仕方なく、何とか着られる物を選び、カメラの前に立った。
「奇麗よ、いいね。アイドルってかわいいね」を連発しながら、パシャパシャとシャッターを切りながら、「今度は風あててみようか?」と大きな扇風機が登場。スタジオ内に、人工の夏の風が吹きわたる。
「へぇー、グラビアってこんな風に撮影するのか」と思いながら、あまりの褒め言葉に、さっきの不機嫌な気持ちが、いつのまにか、いい感じの笑顔になっていく。
「ちょっと、髪をかきあげてみて」とか「目を閉じてみて」と注文ばかり。
「この人、いったい私に何をさせたいのかしら?」
数日後、そのグラビアが本屋さんに並んでいたのでページを開いてみた。
林寛子ミルク色の14歳。年のわりには悩ましげな寛子チャン、そっと触れてみたい。口づけしようとしても、ミルクの匂いが気になる。と書かれていた。
その時初めて、撮影の時に、目を閉じた意味がわかった(笑)。