今も輝く「素敵なラブリーボーイ」
レコーディングのスケジュールが決まると、私は必ずと言っていいほど、風邪をひいた。きっと、知らないうちに体が緊張してしまうのだと思う。
次の新曲はコレ。お手本として、あらかじめ歌が入ったカセットテープと譜面が渡された。
「素敵なラブリーボーイ」一体どんな歌なのだろう?早速聴いてみると…。とんでもない歌唱力の人が唄っている。パンチの効いた明るい声、リズム感バッチリ、音程の狂いなど微塵(みじん)もない。
すごい!すごすぎる!この声の持ち主は?槇みちるさん。60年代を代表するアイドル。「若いってすばらしい」で1966年に大ヒットを飛ばした。私よりも少しお姉さんなので、その活躍は後から知ったが、そんな大先輩の歌入りのカセットテープを頂いたことは、今でも私の自慢。なにしろ、コーラスまで入れてくださったのだから、この新曲はなんとしても、ヒット曲にしたい!みちるさんに追いつけ追い越せとばかり、レコーディングも気合が入った。
♪あなたは特別な男の子 わたしを自由にできる~私のデビュー曲を書いてくださった千家和也先生の作詞。 「ほほえみ」はかれんな少女。6曲目のこの曲は、グッと大人っぽく、当時としてはチョッピリ過激な歌詞で、男の子たちを誘惑するカンコに成長した!そして、林寛子と言えば「素敵なラブリーボーイ」と言われるようになり、ラジオや有線でも町中に響き渡るほどのヒットとなった。 あれから40年の歳月が流れたが、今年で9周年を迎えた私のカラオケサロン「林寛子の店 ラブリー寛寛」では、毎日、ミニライブでこの歌を唄っている。懐かしいねと感激してくださるお客さまの笑顔と、みちるさんのお手本が「素敵なラブリーボーイ」を今も輝かせてくれているのは間違いない!