市村正親が胃がん公表 舞台降板し入院

 俳優の市村正親(65)が27日、早期の胃がんの治療のため、都内の病院に入院することを所属事務所を通じて発表した。市村は6月下旬に体調不良で入院した際に病理検査でがんが発見されたという。現在出演中の舞台「ミス・サイゴン」は降板。市村は「今のわたしの夢はお客さまの前で『アメリカン・ドリーム』を歌うことです」と復活を誓った。  

 演劇界の鉄人が衝撃のがんを告白した。所属のホリプロによると市村は6月下旬に体調不良を訴え、都内の病院を訪れた。そこで急性胃炎と診断され入院。入院時に念のため受けた検査で胃に腫瘍が発見され、病理検査の結果、がんと診断されたという。

 市村はこの日、主演ミュージカル「ミス・サイゴン」の夜公演終演後に、自らの口で他のキャストに降板を伝えた。市村は1992年の同舞台の初演からエンジニア役を演じ続けていた。ライフワークともいえる役を千秋楽まで務められないことに、「一番悲しいのはお客さまの前に立ってご挨拶できないことであり、一番悔しいことは、共に稽古場で闘ったスタッフ及びキャストに迷惑をかけることです」と無念の思いをにじませた。

 市村は劇団四季を退団後、エンジニア役を得たことで舞台俳優としての新たなスタートを切ったとも言える。劇中で歌う「アメリカン・ドリーム」は自身の俳優としての夢が詰まった曲でもある。

 今後は約2週間の入院。腹腔鏡手術を受け、退院後は自宅で治療に専念するが、復活への思いを「今のわたしの夢は再びお客さまの前でこの曲を歌うことです」とつづった。

 なお、舞台は予定通り上演される。7月中はエンジニア役はダブルキャストの駒田一(50)が演じ、8月以降は駒田と筧利夫(51)がダブルキャストで演じる。市村は11月の舞台「モーツァルト!」(11月6~12月24日、東京・帝国劇場)で復帰する予定という。

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