市村 篠原涼子の助言のおかげで早期発見

 初期の胃がん治療のため休養していた俳優の市村正親(65)が3日、都内で復帰会見を行った。がん発見の裏には妻で女優の篠原涼子(41)の助言があったことを明かし「妻から命をいただいた気持ち」と感謝した。仕事復帰は10月上旬、舞台「モーツァルト!」(11月8日~12月24日、東京・帝国劇場)の稽古からで「また、元気な市村の芝居を見てもらえたら」と、力強くファンに呼びかけた。

 変わらぬ力強い口調で復帰宣言した市村が、妻と息子2人への感謝を明かした。

 市村は6月下旬に体調不良を訴え、急性胃炎と診断された。この時、篠原が医師に「不安なんで、やれるだけの検査をしてください」と依頼。胃がんが発見された。市村は「奥さんに自分の命をいただいた気持ち」と、勘の良い“命の恩人”に感謝した。

 7月27日にがんを公表し、舞台「ミス・サイゴン」を降板。8月2日に腹腔(ふくくう)鏡手術で胃の半分を切除した。術後の検査でがん細胞が残っていないと分かると、夫婦で抱き合い、涙を流して喜んだ。「これで女房、子供のためにしっかり生きられる。芝居の神様が『まだまだダメだよ。こき使うから』と言ってくれてるのかなと思いました」と心境を語った。

 食は細くなったが体調は良好で、現在はリハビリを続けて舞台に備えている。退院して帰宅した時には子供たちがくす玉を作って祝ってくれたそうで「僕がいないのを耐えていたんでしょうね」と思わず涙ぐんだ。篠原の誕生日だった8月13日にプレゼントは渡せなかったが「『あなたが健康な体になったのが最高のプレゼントよ』って言ってくれました」とのろけた。

 今後は1カ月ごとの検診を5年間続け、1年後には内視鏡検査も受ける。10月下旬、声優を務めた3DCGアニメ映画「くるみ割り人形」(11月29日公開)の、東京国際映画祭でのワールドプレミアで復帰後初めてファンに姿を見せる予定だ。

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