４人組ロックバンドＴＵＢＥが２０日、横浜アリーナで行ったデビュー３０周年記念ツアーの最終公演を行い、ボーカルの前田亘輝（５０）が来年１月にも声帯のう胞除去手術を受けることを明かした。声帯－は、声帯の粘膜に良性腫瘍ができるもので、歌手に多く見られる。節目の年で代名詞の夏以外もフル活動した代償とみられ、前田は「１年間しっかり練習して、いい声を取り戻す」と約束。ライブでは“冬の女王”広瀬香美（４９）との夏冬コラボで、１万２０００人を盛り上げた。

　精力的な活動の代償は大きかった。アンコールに代表曲「シーズン・イン・ザ・サン」でこの日一番の伸びやかな歌声を披露した後、前田の口から驚きの言葉が飛び出した。「聞いてもらったら分かるように、のどがおかしくて、来年手術をしなくてはならなくなりました」

　声帯のう胞は声を張り上げる歌手に多い病気で、喉の使いすぎが原因の一つ。ＴＵＢＥは今年３０周年とあって、例年は秋で終了する全国ツアーを、この日まで半年間で２６都市３３公演行った。さらに、夏恒例の横浜スタジアムや甲子園球場での野外ライブなど、喉を酷使したことも影響があった可能性は否めない。今回のツアーではキーを下げて歌う場面もあったという。

　これまでタフな喉を誇示してきた前田は「３０年たって、やっとオレも歌手になれたかな」と気丈に話し、「しっかり練習して、もう一度、いい声になって戻ってきたい」と思いを明かした。関係者によれば、手術時期は未定だが、ライブなどがなく、スケジュール的に余裕のある１月にも行う可能性が高いという。

　サプライズ発表までは、異常を感じさせなかった。記念イヤーの集大成ライブで完全燃焼。オープニングには広瀬が登場し、“夏の帝王”と“冬の女王”が初共演を果たした。６月に発売した「Ｙｏｕｒ　ＴＵＢＥ＋Ｍｙ　ＴＵＢＥ」で楽曲提供した「おかげサマー」をデュエット。ハグをして、ファンを盛り上げた。さらに１６日に発売した新曲「灯台」をライブ初披露。２１曲を熱唱した前田は来年、自慢の喉をしばし休めることになる。