神奈川県警戸塚署は６日、妻を電話で脅したとして、脅迫の疑いで、元サッカー日本代表選手の奥大介容疑者（３７）を逮捕した。妻は女優の佐伯日菜子（３６）。同署によると、奥容疑者は容疑を否認している。

　逮捕容疑は４日午後、佐伯に電話をかけ「今から殺しに行く」などと脅した疑い。佐伯が同日夜、戸塚署に相談し、被害届を提出。署員が兵庫県尼崎市内で、奥容疑者を逮捕した。戸塚署はドメスティックバイオレンス（ＤＶ）の疑いもあるとみて調べる。

　奥容疑者は尼崎市出身。神戸弘陵高から９４年にＪ１磐田に入団。攻撃的ＭＦとして活躍し、ベストイレブンを３度受賞した。日本代表はトルシエ監督時代の９８年にデビュー。国際Ａマッチ２６試合で２得点の成績を残した。０２年に横浜Ｍへ移籍し、横浜ＦＣでプレーした０７年限りで引退。指導者に転身し、多摩大目黒高監督、横浜ＦＣ強化部長などを務め、今年１月末に体調不良を理由に退団していた。

　佐伯とは２００２年に結婚し、その年の１０月に長女が誕生、０３年９月に次女が生まれている。佐伯は映画「毎日が夏休み」（９４年）、ドラマ「エコエコアザラク」（９７年）などに主演している。

　元日本代表の逮捕にサッカー関係者は動揺を隠せなかった。

　横浜Ｍ在籍時の奥容疑者とプレーしたある選手は「後輩を食事に連れていくなど、面倒見が良い兄貴分だった。選手として悩みを聞いてもらったことがあり、すごく世話になった。こんなことになるとは」とショックを受けた様子だった。

　横浜Ｍの職員として接した関係者も「寝耳に水だ。ホームゲームでは夫人や娘が試合をよく見にきていたのを覚えている」と驚いていた。

　横浜Ｍなどでともにプレーした元代表ＦＷ久保竜彦選手が所属する廿日市ＦＣ（広島）は取材に対し「コメントは差し控える」と答えた。