日航ジャンボ機墜落から30年
520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故は12日、発生から30年を迎えた。遺族や関係者は墜落現場「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)に慰霊登山し、墜落地点にある「昇魂之碑」の前で黙とうした。
遺族でつくる「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長(68)は「技術が進歩しても、安全を守るのは一人一人の意識。これからも命の重さを伝え続けたい。若い人も御巣鷹に来て、目に見えない思いを感じてほしい」と話した。日航によると、慰霊登山した遺族は106家族406人。過去の8月12日と比べ最多だった。
麓の「慰霊の園」で行われた追悼慰霊式には遺族や日航の関係者らが参加。犠牲者の数と同じ520本のろうそくに火をともし、墜落時刻の午後6時56分に黙とうした。
事故で亡くなった歌手・坂本九さんの長女で歌手の大島花子(41)はブログに笑顔の父との写真をアップ。「今日という一日が、おだやかで、ありふれていて、だからこそ最高に輝いた大切な一日でありますように。」と思いをつづった。
事故では、機体後方に座っていた吉崎博子さん(64)と長女美紀子さん(38)、川上慶子さん(42)、落合由美さん(56)が奇跡的に生存、救助された。吉崎さんは毎年8月12日、親子一緒に、事故に関する報道を見ているという。川上さんは夫と子供3人、落合さんは夫と娘2人の家庭を営んでいる。