野々村被告 メールで法廷欠席に失笑

 政務活動費を巡る不自然な支出が発覚し、詐欺罪などに問われた“号泣県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)=在宅起訴=の初公判が24日、神戸地裁で予定されていたが、同被告が欠席したため中止となった。開廷時間になっても同被告が現れず、法廷で弁護人が、被告が自宅周辺にマスコミがいてパニックを起こし、メールで欠席の意向を伝えてきたと説明。昨年の“号泣釈明会見”に続き、今度は法廷が失笑に包まれた。

 開廷の午後3時。佐茂剛裁判長が「被告が来ていませんね」と厳しい口調で尋ねると、弁護人は「先週までは出廷するため打ち合わせを行っていたのですが」と釈明。続けて、被告がこの日、午前6時50分ごろ自宅を出ようとしたところ、マスコミ関係者と鉢合わせしたとして「パニック状態になり、家を出られる状況ではなくなり、8時半ごろ、裁判を欠席したいというメールがありました」と説明した。

 弁護人が車で迎えにいくことなどを提案して出廷を促したが「精神的に法廷に出られる状況でないという強い意向」があったという。

 昨年7月、野々村被告(当時は県議、その後に辞職)の政務活動費を巡る疑惑が噴出した当時、事後処理に追われた県議会事務局が「居場所が分からない。携帯のメールでしか連絡がとれない」と悲鳴をあげたことも。事務連絡も深夜や未明にメールで送られてくることが多かったという。

 同事務局が政務活動費の返還請求を行った際も、野々村被告がメールで関係書類の郵送先を指定してきた。返還金の振り込みが完了したとの知らせも、やはりメールだった。

 ただし、この日、刑事被告人が公判を欠席すること自体が異例だが、公判欠席をメールで伝えてきたとの説明には、法廷に失笑が漏れた。

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