香取慎吾「鼻をへし折られた」過去語る
消滅危機のさなかにあるSMAPの香取慎吾(38)が、阿川佐和子さんがホストを務めるトーク番組「サワコの朝」(TBS系、土曜前7時30分)16日放送回に出演し、88年の結成当初のエピソードを語った。コンサート会場で観衆がまばらにしかいなかった時代を振り返りながら「僕が会社の人間だったら(SMAPを)終わらせてるでしょうね」と解散危機の状態だったことを明かした。
88年に結成、91年にCDデビューしたSMAPだが、当初は決して売れていなかったことはよく知られている。「オリコンでCDが1位にならなかった。CDデビューから3年、シングル12枚(編集注・音松くん名義の「スマイル戦士 音レンジャー」含む)、1位を取ってないんです。いますか。そんなジャニーズ」と自嘲気味に振り返った香取が、一つの思い出として語ったのが、あるコンサートでの出来事だった。
「コンサートをやらせてもらって、幕が開いて、本当にお客さんがいなかったことがあって…」「大きいところなんで(お客さんも)点々となんで、ぐっと(座席を)詰めて」「本当にその時に鼻をへし折られた」
直近の先輩に当たる光GENJIがデビュー曲の「STAR LIGHT」から爆発的な人気を獲得したのとは対照的な状況に驚いた阿川さんが「よく解散っていう(風にならなかった)」と反応すると、「そうですよね。僕が会社の人間だったら終わらせてるでしょうね」と香取。「会社に怒られました。なんで売れないんだって」とどん底の状態だったと振り返った。
SMAPは様々な分野に挑戦していくことになるのだが、その一つが92年に放送を開始した「夢がMORIMORI」(フジテレビ系)をはじめとするバラエティー番組の出演だった。香取はある番組のコントで監督から激怒されたエピソードを披露。「かつらをかぶったりスカートはいたり。みんなでワイワイやってたら散々怒られました。『学芸会じゃねえんだ』って。セリフを言い合ってても途中で大笑いしちゃって。本番中に。監督さんが『馬鹿野郎ふざけんな』って。そんな怒られた後の本番はこんなん(落ち込んだ表情で)ですよ」とプロ意識にかけていた当時を反省しながら懐かしんだ。
その後のSMAPの活躍は周知の通り。伸び悩んでいたCDのランキングでも94年の「HeyHeyおおきに毎度あり」で初めて1位を獲得した後は数え切れないほどのヒット曲を生み出した。くしくも「HeyHey-」は、メンバーに関西地方出身者がいないにも関わらず歌詞に関西弁を取り入れた王道のアイドルソングとは一線を画した内容で、バラエティー色の強いものだった。
黄金期に入るまでの心境を香取は、「落ちぶれていってしまうぞ、っていう感じはありましたね」と述懐。「だからこそ、今あることをとにかく一生懸命やらないと。僕だけじゃなく、みんな『よっしゃ今売れたぜ』っていうのはないんじゃないかな」とかみしめるように語った。