円広志 パニック障害のころギャンブル勝ちまくる…不思議な日々(上)
歌手の円広志(64)は46歳ごろにパニック障害を発症した。「夢想花」の大ヒットから20年。テレビなどレギュラー6本を抱え多忙を極めていた。ある日、車を運転していて赤信号でブレーキを踏んでいるのに景色が動いて見えた。それが発症の予兆だった。円はマネジャーに「番組全部降ろしてくれ」と号泣して懇願。療養に入った。その間、なぜかギャンブルに強くなりパチンコも競馬も勝って勝って勝ちまくった。不思議な日々を振り返ってもらった。(上)(下)で。以下は(上)。
-5月にコンサートを開催しました。MCで「ある日曜日に笑うこともできなくて」と言っていました。パニック障害の影響ですか。
そういうことではなく週末は本当にしんどいんですよ。1週間仕事したらもう、ほんとしんどいんです。
-MCでは「月曜から金曜まで帯番組の仕事をして土曜はしんどい」と。コンサートが土曜日で「それが今日」と言ってました。本音ですか。
そう、本音です。(笑)一番しんどい日です。でも、土曜日しかコンサートできないんです。
-あのMCでドッカン笑ってました。
疲れ果ててるんです(笑い)最後の力を振り絞ってね。ベストコンディションでステージに立ちたいと思うんですけど。
-しんどい週末は奥様と一緒にいることで。
そうです。癒やしというか。
-よくテレビで「20年別居している」と。仲が悪いということではない。
はい。
-毎朝の番組に備えてテレビ局の近くに。
そういうことじゃないです。普段は仕事のことしか考えないし。…それともう一つは家に帰ってもグチしか言わないし(笑)。しんどいとかね。疲れたとかしんどいしか言わないじゃないですか。それやったら別々に暮らして、週末だけは一緒におろうと。夏休みとか冬休みはずっと一緒です。あと、金土日はずっと一緒です。
-著書「パニック障害、僕はこうして脱出した」(詩想社)では夫婦の危機は一度や二度じゃないと。
危機(笑)。結婚の危機はぼくがいつでも悪いんです。ぼくが全部悪いんです。
-結婚生活はほぼ40年。
そうですね。40年超えてんのかな。41年…。デビューして40年。42年くらいか。
-それ、覚えておかないとまずいです。
覚えとかんとまずい(笑)。これでまた離婚危機になります(笑)。でも、誕生日とかはきちんとしてるんですよ。
-忘れたことはなく。
忘れたことないです。誕生日が近づいてきたらドキドキします。忘れたらあかんと思って。
-その気持ち、ものすごく分かります。1回くらい忘れたことは。
ないです。忘れかけたことは1回あります。
-パニック障害で療養していた頃はギャンブルに勝ちまくったと著書に。まるで超能力ですね。
あれ、面白いでしょ。超能力なんです。パニック障害というのはものすごく神経がとぎすまされるんですね。僕も不思議でたまらんのですけど。(パニック障害が)一番ひどいときは外出もできないくらいなんですけど、ちょっと外に出られるくらいにまで回復してパチンコに行くと、出る台が見えるんですよ。浮き上がって見えるんです。最初、マネジャーも冗談やと思ってましたけど全部出る。嫁もしょっちゅう聞いてましたわ、そのころ。※(下)に続く。