海原はるか・かなた 芸能界志し家出、あわやゲイ人に…ベテランコンビが爆笑トーク
ベテラン漫才コンビ、海原はるか・かなたの一発芸は一撃必笑だ。七三というより九一に分けたはるか（７１）のバーコードヘアを、かなた（７１）が「フーッ！」と一息で飛ばし、ざんばら状態に。何度見ても確実に笑える。かなたは腰部脊椎狭窄（きょうさく）症で昨年１月から休養し、手術を受けて今年８月、１年７カ月ぶりにコンビは舞台に立って爆笑をさらった。芸能界を志した経緯を聞くと、危うくゲイ人に引き込まれる瞬間があったとまさかの告白も飛び出した。
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－かなた師匠、まずは闘病からの復帰おめでとうございます。
かなた ありがとうございます！
－現在はどんなリハビリを。
かなた 月曜から金曜日までジムのような所に行き、土曜日は筋肉休みでマッサージを受けたりしています。
－はるか師匠は相方の入院中、寂しかった。
かなた もう、あかんて思てたやろ。
はるか ものの考え方がけっこうプラス思考なんで、相方が元気になるまで待たなしゃーないと。ほんなら暇を楽しもうと。基本のポリシーは暇を楽しもうです。たまに周囲から言われました。「暇でしょ？」って。「そうです、暇です」「お金は？」「女が３人貢いでくれてますねん」。そんなふうに言うといたほうがね。
－６月に亡くなった横山たかし師匠も同じ病気を患った。
かなた たかしさんとお互いに復帰という形で舞台に立ちたかった。向こうはほら吹き漫才で、うちは髪吹き漫才でね。そういう気持ちはすごいあったんです。残念です。本当に。
－たかし師匠の追悼公演が復帰の舞台となった。
はるか １回目の漫才を終わった瞬間、ほんっまに楽しかった！僕はそれしかなかったです。１年７カ月ぶりでしたからね。ほんまに「ああ、楽しかった」と思いました。あんな感覚はそないにあるもんじゃない。２回目の漫才では、もう、なんにも感じなかったです。
かなた ３月末にカラオケに行った時は高い声が出なかったんで不安でした。本番を迎えて終わって、いろんな記者の方が来られて「どこ悪いんです？」って聞かれた（笑）。すごい声出てる。ほかの芸人さんにも「声出てる」と言われてほっとしました。
▼かつては役者志望 －お２人とも本来は役者志望だった。なぜ芸能界を。はるか それはですね…。
かなた ごめん（相方を制し）、さき言うわ。私の場合は子どものころから芸能界しか頭になかったんです。小学校を卒業するときに「私の希望」とか「将来に向けて」とか作文を書きますやん。その時に「歌手になる」と書いてました。それしかなかった。ただ、歌手やったら、はやりすたりが出てくる。役者の世界やったら若いときも年いったときもそれぞれ役があるからずっといけるんちゃうかなと思ったんです。奈良の田舎で、今で言うたら大衆演劇みたいな芝居小屋に夕方になったら必ず、おばあちゃんに連れて行ってもらった。そういうのもこの世界に憧れた要因でしょうね。
－はるか師匠は。
はるか 僕は故郷が熊本なんです。家の隣に映画技師の方が住んでらっしゃって、近所の映画館で映画技師をやってはったんです。その方がいつも僕のことをかわいがってくれて、「映画見においで」って映画館に入れてくれたんです。
－まるで映画「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいです。
はるか で、ちょっと大人向けの映画のときは「映写室で見とき」と。子どもが見てるとややこしいですから。あるとき、野坂昭如さん原作の「エロ事師たちより」という映画を見ていて、小沢昭一さんが出てはったんです。居酒屋の片隅でくっとお酒を飲みながら、横にぜんぜん知らん女の子が座りかけたときにお尻をぺろっと触るんです。それを見て感動しまして。
－そ、そこで感動ですか！
はるか で、俺は役者になりたいと。
かなた そんな動機か！
はるか ほんまに単純なんです。両親は銀行員と学校の元教師という堅い家庭環境だったんです。なので弟にいろいろ相談したら「兄貴、一回、家出して決心が固いことを伝えよう」と。それで一回だけ家出したんです。１７歳のときでした。
－どこへ家出を。
はるか 大阪や東京は遠いし怖いし、鹿児島に行きましてね。そこで親切なおじさんに出会いました。４０代くらいやったかな。その人のせいで芸人じゃなく、危うくゲイ人の世界に導かれるとこでした。
－というと。
はるか 自宅に泊まらせてもらいましてね。それで…。（次回に続く）
◆海原はるか・かなた（うなばらはるか・かなた） 立ち位置向かって右がはるか、左がかなた。はるかの本名は和泉秀一。１９４８年熊本県出身。かなたの本名は西尾伊三男。１９４７年、奈良県出身。海原お浜・小浜に弟子入り。かなたがはるかの髪を「フーッ」と一息で飛ばす一発芸でブレーク。はるかはダウンタウン松本人志が監督した映画「大日本人」に出演。２０００年上方漫才大賞奨励賞を受賞。
