昨年１２月１６日のコンサートを最後にモーニング娘。を卒業した飯窪春菜（２４）が、ソロ活動への意気込みを明かした。アニメや漫画好きでトークにも定評がある飯窪の目標は、幼いころからあこがれていた女優業。７年間、慣れ親しんだグループを離れた２０１９年は「いろいろな経験を積みたい」という。マルチに活動していく中で、演技への本格的な取り組みを誓った。

　落ち着いた大人の雰囲気が、取材場所のおしゃれなカフェにぴったりだった。２４歳になった飯窪が、ソロとして一歩を踏み出した。

　昨年１２月１６日に７年間のアイドル人生を終えた。１万人のハニー色（黄色）のサイリウムが揺れた日本武道館での卒業コンサート。ダブルアンコールに登場した飯窪は、「北斗の拳」のラオウばりに「我がモーニング娘。人生に一片の悔いなし」と叫んだ。

　「予定はありませんでした。最後に『（ステージに）出て』って呼ばれて、『いいんですか』って。頭の中に自然とラオウが舞い降りてきて。（大好きな）『ジョジョの奇妙な冒険』の中で、それっぽいセリフが浮かばず。ディオの（人間をモー娘。に変えた）『オレはモー娘。をやめるぞ』も違うなと」。とっさに出てきた締めのセリフで会場を沸かせた。「すがすがしい気持ちで卒業を迎えたので、その言葉が降臨したんだと思います」

　１１年に１０期生で加入したモー娘。の活動を「大切なもの、好きなものが増えて、自分の人生が濃くなりました」と表現した。ダンスや歌の経験がなく、「間違えないようにしなきゃと考えてばかりで、楽しめるまでに３、４年かかった」と苦笑い。一方で、メンバーとの楽屋でのおしゃべりが楽しかったといい、ファンの声援にも心から感謝した。

　武道館のラストを振り返り、「（客席の）上の方から『幸せだったよ～』『ありがとう！』っていう声が聞こえてきて、それぞれ一人一人がいろんな思いで来てくださってると感じられてうれしかったですね」とほほ笑んだ。

　今後は「小さいころからあこがれていた」という女優の道を目指す。アイドルは「自分とかけ離れていると思っていました」といい、「（モー娘。オーディションは）大好きだった道重さゆみさんに会いたかったから受けた」と告白。卒業コンサートに駆けつけた道重からは「すごいキレイだったよ」と言われて感激したという。

　女優業での目標も設定済みで「漫画が原作の物語に出演したいのと、悪女を演じてみたいです。真柴ひろみ先生や折原みと先生の作品が実写化になれば。悪女は菜々緒さんみたいなイメージです」。あこがれには二階堂ふみ（２４）、松岡茉優（２３）、川栄李奈（２３）の３人を挙げ、「同い年です。ライバル？そうなんですけど、お芝居の経験がないので、お三方のお芝居を見て尊敬するなって思います」と謙虚に話した。

　トークに定評がある飯窪は、グループ卒業と同時に番組卒業が恒例だった明石家さんま（６３）司会のＭＢＳラジオ「ヤングタウン土曜日」（後１０・００）のレギュラーを継続している。「放送上ですけど、さんまさんからは『（女優活動を）オレに相談すれば、大竹しのぶのバーターで出演させてやるからな』と言われて、本当にお願いしたいと思いました」と笑った。１３年からさんまと共演しており、「いかに邪魔にならずに間に入り込むかを学びました。さんまさんはずっとしゃべってらっしゃるから、（ヘタをすると）一言もしゃべれないラジオになるので」と“お笑い界のモンスター対策”を明かした。

　後輩の横山玲奈（１７）らから「モーニング娘。のさんまさん」と呼ばれていた飯窪。さんまから直接のアドバイスはないというが、「格言、名言はあって。『バラエティー（番組）に行くときは、トークの手みやげを持って行け。ちょっと内ポケットにトークのおやつも入れとけ』って。それはメモしました」とうなずいた。

　再出発の大切な年になる２０１９年。飯窪は「今年はいろいろな経験を積みたいなって思います。特に経験がないお芝居の経験を積んで上手になりたい」と目を輝かせ、プライベートでは「男女ともに友達を増やす」と脱・人見知りを掲げた。歌については「歌わないかもしれない」と言った後、「求められたら歌います」とおちゃめに訂正した。

　すでにソロで生き抜く覚悟は十分。華やかなルックスで多くのファンを魅了してきた飯窪は、新たな場所でも輝きを放つはずだ。

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　飯窪春菜（いいくぼ・はるな）１９９４年１１月７日、東京都出身。２４歳。血液型Ｏ。２０１１年９月、１０期生としてモーニング娘。に加入。１３年５月、サブリーダー就任。１８年１２月、卒業。趣味は漫画を読むこと、可愛いものを愛でること。特技は空想。座右の銘は「一言芳恩」。身長１６２センチ。