伊藤沙莉の素顔とは 「人が何かをするきっかけになれたら」 癒やしは家族→芸人の兄にも「心強いです」
今月4日に第1話が放送され、早くも話題を呼んでいるテレビ朝日系ドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(火曜、後9・00)でゴールデン帯の連続ドラマ初主演を果たした女優・伊藤沙莉(29)。映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(公開中)にも主演しており、“若手No.1注目女優”の呼び声も高い伊藤がこのほど、デイリースポーツのインタビューに応じ、その素顔を赤裸々に明かした。
切れ目のないスケジュールに追われる中、軽やかな足取りでやってきた伊藤は「疲れていないですか?」の問いに笑顔いっぱいで「大丈夫ですよ!これが最後なんで」と答え、ちょこんとインタビュー用の椅子に腰かけた。ドラマや映画のPRに奔走しながらも、どこまでも自然体だった。
ゴールデン帯の連続ドラマ初主演となった「シッコウ-」では、ひょんなことから織田裕二(55)演じる国家公務員・執行官に巻き込まれて「“犬担当”の執行補助者」となる主役の吉野ひかりを演じる。世間的にもなじみの薄い「執行官」という職業については「まったく知らなかった」と言うが、企画段階から勉強。作中では徐々に成長していく役柄だけに「知識なども含めて、一番視聴者に近いかなと思います」。
その上で「もちろん、法的な観点はありますが、何が正しいのか分からない。そうなったいきさつがあるので。ひかりにも通じるけどかわいそうって思う部分もあり、そこで苦しむ執行官・織田さんがいる。お仕事として知ってもらうこともあるけど、そのお仕事の大変さ、葛藤を味わってもらうことが良いんじゃないかと。そのゆさぶられる感じが私はたまらなかったんですよね」と作品の魅力を語った。
これまで多くの作品に出てきた伊藤だが、織田との共演は衝撃的だったという。織田にとってはドラマ「素晴らしきかな人生」(フジテレビ系・93年)以来、実に30年ぶりの主演以外での出演。オファーを受けた際には「『どういうこと?』って思いました。よく、タモリさんとか、黒柳徹子さんとか、本当にいるんだって言われる人いるじゃないですか。さすがに織田さんは本当にいるとは思っていましたけど…」と戸惑いながらも「母と叔母が大ファンなので、家族には一番に報告しましたね。万歳三唱でした、伊藤家は。お母さんも『裕二によろしくね』って。ファン過ぎますね」と家族総出で喜んだ。
撮影中の待ち時間に伊藤がOfficial髭男dismの「Subtitle」を口ずさむと、織田が「お、ヒゲダン知ってるの?じゃあ俺ハモるわ」とカットイン。ただ、伊藤が歌うとなぜかコーラスを担当した織田に爆笑。「ちょっと天然さんで。私も『ちょっと集中できないんで!』と言ってしまいました。めっちゃおもしろかったですね」と振り返った。
多忙を極める日々の中の癒やしとなっているのが、家族の存在。オフの楽しみは姉のもとに生まれためいっ子をめでること。またお笑いコンビ・オズワルドの一員として同じエンタメ界で活躍する兄の俊介の存在は「畑は違うけど心強いです。バラエティーで変なことを言ってしまった時には、一番に相談します」と話すように、家族のつながりは強い。
そんな伊藤が思い描く未来絵図とは、どのようなものだろうか。質問に対して遠慮がちに「人が何かをするきっかけになれたらいいな」と回答。「何かを導ける人になれたらすごく良い人生だなと。おこがましいけど、そういう存在、そういう女優になれたらなと思います」。まっすぐに話す目は輝いていた。
◆伊藤沙莉(いとう・さいり)1994年生まれ、千葉県出身の29歳。2003年、9歳でドラマデビュー。以来、映画、舞台、ドラマなどで活躍。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」や、ドラマ「女王の教室」、映画「鈴木先生」、映画「blank 13」など話題の作品に多数出演。兄はお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介。