武藤敬司 闘魂三銃士で引退!内藤戦で橋本さんのDDT&蝶野とサプライズ戦 三沢さん秘技も

 内藤哲也との引退試合に敗れ、さらに同期入門の蝶野正洋までもリングに引っ張り上げSTFで敗れるという前代未聞の引退試合を終えた武藤敬司が報道陣の取材に応じた。

  「そこまでは車いすで来たんだけど・・・自分の足で帰りました。それほど悲しくもないし・・・ここまでの道のりの方が苦しかったかな」と心境を晴れやかに語った。

 内藤戦では、これまでの入場曲・テーマ曲をメドレーのように用いた。肉離れを負い、限界のはずの足で軽やかにリングへ向かった。けさ斬りチョップからのDDTを同じ闘魂三銃士として活躍した橋本真也さんへ。大技エメラルド・フロウジョンを同時代のマット界を支えた三沢光晴さんへ。さまざまな思いを背負って技を繰り出していった。

 自身の代名詞とも言えるコーナートップロープからのムーンサルトプレスは2度試みようとしたが躊躇し、踏み切らなかった。家族や主治医の「怒っている顔」がよぎったと試合後は笑った。

 内藤の決め技デスティーノを受け仰向けになった武藤はフォール負け。この後、引退セレモニーが続くかと思いきや、途中で「まだ灰になっていない」と解説席の蝶野を指名して、もう一丁の引退試合の相手として引きずり出した。

 割れんばかりの歓声の中、ゴングが鳴る。蝶野もコンディションが悪いことはこれまでも公言していたが、ロックアップからケンカキック、さらにはSTFを繰り出し、武藤はギブアップした。

 引退試合そのものについては「それほど悲しくもないし・・・ここまでの道のりの方が苦しかったかな」と心境を語った。蝶野を指名したことについては「どうしてもやりたかったことなんだよ」と振り返り、「締めくくりはやっぱり蝶野にしたかったんだよ。よくアイツあそこまで動けたよ。たいしたもんだよ。アドレナリン出てたよ」と喜んだ。

 「あっさり終わりたい」と湿っぽいセレモニーはなし。「本当に俺は幸せなプロレス生活でした」と“ゴールのないマラソン"を走りきった。

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