レツゴーじゅんさん通夜 役者へ執念も
今月8日に脳出血のため亡くなった、漫才トリオ・レツゴー三匹のレツゴーじゅんこと俳優・逢坂じゅんさん(享年68)の通夜が10日、大阪市内でしめやかに営まれた。メンバーのレツゴー正児(73)をはじめ、7月舞台で共演予定だった中村美律子(63)ら300人が参列。最期をみとった家族は、逢坂さんが役者業にさらなる情熱を傾けていた矢先の急逝だったことを明かした。
「半沢直樹」「ごちそうさん」と出演ドラマが次々にヒットし、充実の日々を過ごしていた矢先に、突然帰らぬ人となった名優。その早すぎる終演を、誰もが惜しんだ。
逢坂さんが数年前に離婚して以降、大阪市内で同居していた姉・紀代子さん(74)によると、逢坂さんが6日昼間に倒れた際は、自室で7月の舞台に向けた準備の最中だったという。共演予定だった中村は「私のお父ちゃん役の予定でした。2月にお会いした時は『楽しみにしている』とおっしゃっていたのに…」と言葉を詰まらせた。
家庭に仕事を一切持ち込まなかった逢坂さん。3人の息子にも仕事の話は全くしなかったというが、3月に食事をした次男・寿博さん(38)には、珍しく、「半沢、俺がんばったんやなあ」とうれしそうに語っていたという。
三男で俳優の渡辺知晃(37)は、逢坂さんが出演した「ごちそうさん」の最終回に帰還兵役で出演。逢坂さんに「あそこはもっと声出せ」などと短い言葉で的確な助言を送られたそう。知晃は「いつかガッツリと共演したかった。これから恩返ししないと」と父に飛躍を誓った。
ひつぎの中の逢坂さんは、好きだった緑色の着物姿。できあがったばかりの7月公演のパンフレット、愛用のニット帽子、たばこ、読みかけだった小説などが収められた。