五木ひろし「まさか…という心境です」
直木賞作家で作詞家の山口洋子(やまぐち・ようこ)さんが、6日午前1時6分、呼吸不全のため、入院中だった都内の病院で死去していたことが、15日、分かった。
山口さんが作詞したシングル「よこはま・たそがれ」「夜空」などを歌った歌手の五木ひろし(66)は訃報に言葉を失った。
五木は「あまりの突然の知らせに動揺しています。言葉になりません」と絶句。山口さんの誕生日にあたる毎年5月に花を贈ると写真入りでお礼状が届いたといい、「今年も元気そうな写真が届いていたので、まさか…という心境です」とショックを受けた。
山口さんの作詞で75年発売のシングル「千曲川」では、第17回日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞。五木は「山口先生は僕にとって恩人です。山口さんと出会わなければ、今の五木ひろしはなかった。私の姉と同い年でしたので、恩師で姉のような存在でした」と振り返った。
最後に顔を合わせたのは、07年11月8日に行われた平尾昌晃氏の作曲家生活40周年記念コンサートの会場だった。山口さんが再会に涙していたことが印象的だったという五木は「たくさんのいい作品を後世に残すこと。それが何よりの恩返しです」と言葉を絞り出していた。