健さん主演作のプロデューサーも偲ぶ
悪性リンパ腫のため10日に亡くなった国民的俳優・高倉健さん(享年83)の悲報から一夜明けた19日、悲しみはさらに日本中に広がった。
健さん主演映画「殴り込み艦隊」(60年)「男ならやってみろ」(同)などを手がけた吉田達プロデューサー(79は東映東京撮影所に設置された献花台を訪れ、思い出を語った。
タッグを組んだのは、健さんが「網走番外地」などのシリーズで大スターになる前の時代。赤字になる映画も少なくなかったが、健さんは吉田氏に向かって「達っちゃん、明日があるよ」と常に明るく前向きだった。「絶対に後悔しない人。当時は奥さんの江利チエミさんの方がギャラが多くてね。『主演だけど(ギャラが)安いんだよ』って、ものすごい向上心で作品に取り組んでいた」。
ある日、健さんが江利さんの話をしてくれた。「(健さんが)中古のジャガーを買った時、江利さんが『遠くからロングで走ってきて。映画みたいに』と言ったんだって。それで『カッコイイ!』って(言われた)」。健さんのかつての“ノロけ話”を懐かしそうに明かした。