ジョニー大倉さん “伝説の店”で…
肺がんとの壮絶な闘病生活の末、肺炎のため今月19日に死去したロックミュージシャンで俳優のジョニー大倉さん(享年62)-。40年以上前から交流のあった作家でシャンソン歌手の戸川昌子(83)が28日、自身が東京・渋谷で営んだ伝説のサロン「青い部屋」で共に過ごしたジョニーさんの思い出をデイリースポーツに語った。
三島由紀夫、川端康成、勝新太郎、野坂昭如、唐十郎、寺山修司、立川談志、太地喜和子ら昭和を代表する文化人、俳優らも訪れた「青い部屋」。ジョニーさんは70年代に店内で歌と演奏を披露し、キャロルとは別の音楽性を追求していた。
戸川は「ジョニーさんのお姉さんが『青い部屋』のスタッフだったという縁で彼もうちに来ていたのよ。キャロル結成前だったと思うけど、ひそかにピアノの弾き語りなんかしてた」。さらにキャロル解散後は「ロックとシャンソンの夕べ」と題した戸川とのコラボ企画を立ち上げた。
「うちはシャンソンだけでなく、どんなジャンルもありだった。ジョニーさんがエレキギターを弾いてシャウトすると、みんな驚きの中で『ロックもありか~』という感じになって、踊ったりなんかしてね。境界線なんか一切なかった」と懐かしむ戸川。その43年間の歴史に幕を下ろした2010年12月の閉店ライブでは、なかにし礼、シーナ&ロケッツらと共に、ジョニーさんも出演していた。
戸川は「普段は物静かで、熱くなって話すような人じゃなかった。その後もお姉さんから電話をいただき、近況やお体のこともうかがっていました。まだ62歳ですか…。長くて古い付き合いだから、もっと年上だと思っていました。残念です」と故人をしのんだ。