石田長生さん死去…熱烈虎党ギタリスト
さようなら、石やん…。関西を代表するギタリストで、プロ野球・阪神タイガースの熱烈なファンとしても知られる石田長生(いしだ・おさむ)さんが8日午前5時12分、食道がんのため兵庫県三田市の病院で死去した。62歳。大阪府出身。2月に食道がんと診断され、闘病していた。
熟練のギターと渋い歌声、ユーモラスなトークで愛された石田さんは、一方では物心ついた頃から虎一筋で、少年時代は吉田義男内野手の大ファンだった。強い者=巨人に立ち向かう姿に惹(ひ)かれたという。
2003年には「東のChar、西の石田」と並び称された好敵手にして盟友のギタリスト・Char(60)や本紙特命応援団長の松村邦洋(47)ら虎党アーティストで「Tigers Freaks Band」を結成した。石田さんは球団公認応援歌「Tigers Freaks~嵐は西から」を作詞・作曲・プロデュース。18年ぶりのリーグ優勝への呼び水となった。
1996年に東京に移り住んだ石田さんだが、14年に帰阪した。今年2月27日には神戸でライブを行うなど元気だったが、同月に食道がんが判明。3月2日にブログで「俺の食道入り口付近にガン細胞が発見されました」と公表した。
石田さんは「ご心配なく。命までは取られまへん。I Shall Be Released!」とメッセージ。13日には入院して治療に専念することが報告された。25日には「ゆっくり、負けない、前向き、治す」とツイート。声を失うことを避けて手術はせず、抗がん剤と放射線での治療を選んだ。
最後にブログとツイッターを更新したのは6月15日。「Char、本日の日本武道館のコンサートの大成功を祈ってるよ。誕生日は明日やけれど君の『The 還暦』におめでとう」というCharへのお祝いだった。
先週、Charは病院に見舞いに訪れたという。音楽から阪神まで、固い絆で結ばれた両雄の永訣(えいけつ)だった。