加藤武さん劇団葬 550人参列
7月に死去した劇団文学座代表で俳優の加藤武さん(享年86)の劇団葬が5日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、劇団員の江守徹(71)、角野卓造(67)、女優の黒柳徹子(82)、中村メイコ(81)、元劇団員の俳優・内野聖陽(47)ら550人が参列した。
葬儀委員長の江守は1963年の初舞台「トスカ」で共演して以来の間柄で、「50年の間にたくさんの芝居をご一緒しました。映画で見るような、いかつくて怖い人だと思っていたら、優しくて正義の人で男らしい人でした」としのんだ。
あごに手を当てて渋い表情を浮かべた遺影は6月、雑誌の取材用に撮影されたもの。戒名は「無相院阿吽演武居士」(むそういんあうんえんぶこじ)で、俳号の「阿吽」などが込められた。
60年に及ぶ付き合いがあった黒柳によれば、数カ月前にステーキ屋で食事を共にしたときには元気な様子だったという。「2人とも好きな人と嫌いな人が似ていて。誰とは申し上げられませんが、嫌いな女優のマネを私がするのを見るのが好きで…。悲しい気持ちでいっぱい」と悼んだ。