女優で歌手の大場久美子（５６）の実父で、大みそかに死去した宣夫さん（享年８４）の通夜が７日、都内で営まれた。大場は喪主を務め、弔問に訪れた親族、ファンらに涙をみせずに気丈に対応。法要後には取材に応じて父への思いを語った。

　子供のころイジメに遭い学校も休みがちだった大場を、芸能界へと導いたのが宣夫さんだった。「オーディションに一緒に足を運んでくれて。ステージパパで、父の段取りがなければ今の私はなかった」と感謝した。

　亡くなる直前まで、テレビに出る娘の姿をうれしそうに見ていた宣夫さんは、１５年ほど前からがんを患い、入退院を繰り返していた。余命を宣告されてからの最後の１カ月は自宅に呼び寄せた。一緒に暮らすのは１６歳の時以来だった。

　亡くなる３日前に「もう治らないから行くわ」と言ったのが最後の言葉。そのまま昏睡（こんすい）状態となり、毎晩添い寝して話しかけたが、大みそかに旅立ったという。

　９日には都内でライブを行う。宣夫さんも楽しみにしていたステージ。聴かせられず「残念です」とつぶやいた。