「トキワ荘」での展示会延期の事情 手塚治虫&ジャングル大帝…実施なら混雑必至
新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言は、各方面に大きな影響を与えている。飲食店や大型イベントのみならず、直接的な制限対象ではない美術館も例外ではない。このほど、特別展覧会の延期が決まった豊島区立トキワ荘マンガミュージアム(東京・豊島区)の事情を聞いた。
手塚治虫や赤塚不二夫、藤子不二雄(A)や藤子・F・不二雄ら現代漫画の巨匠が集結した伝説のアパート、トキワ荘を“再建”した同ミュージアム。1月16日に初日を迎える予定だった「トキワ荘と手塚治虫 -ジャングル大帝の頃-」は、感染拡大防止を理由に延期が決まった。
本来なら昨年10月に始まった「トキワ荘のアニキ 寺田ヒロオ展」が今月11日に最終日を迎え、同日夜から14日にかけ会場の模様替えを行う予定だった。同館の奈良宏二マネジャーは「会場内の仕切り壁の撤去や新たなグラフィックの展示など、ミュージアムのスタッフと展覧業者10人ほどが一日中作業をします。どうしても密にならざるを得ないんです」と説明した。
さらに、新たな展示会のテーマが、手塚治虫とジャングル大帝であることも大きい。「人気の高い組み合わせで、非常に多くの来場者が見込まれます。来場は予約制なのですが、それでもかなりの混雑が見込まれます」と続けた。
同館では「寺田ヒロオ展」の会期を延長し、入館無料の2階常設展示も変わらず続けていく。「豊島区の方針でもありますが、できる範囲で文化事業を前に進めていきたいです」。昨年7月の開館から、コロナ禍により我慢の時期が続いているが懸命に耐えていく。(デイリースポーツ・山本鋼平)